カテゴリー: モデル法案

2022年10月11日(火)連続セミナー2022(全7回)「外国人人権基本法」を作ろう! 第4回 のお知らせ

連続セミナー2022(全7回)「外国人人権基本法」を作ろう!
第4回:政府主導の共生施策の欺瞞と人権基本法

・講師     :鈴木江理子さん
(国士館大学教員/外国人人権法連絡会運営委員/移住連共同代表)
・開催日時   :2022年10月11日(火)19:00~20:30
・開催方法   :オンライン(zoom)
・応募締切   :2022年10月9日(日)
※10月10日に参加URLを送付します。
・参加費    :無料
※外国⼈⼈権法連絡会にカンパをお願いします。
※入金先等はこちらから⇒https://gjhr.net/donation/
・主催     :外国⼈⼈権法連絡会 (共催)/移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
・お問い合わせ先:info@gjhr.net

◆お申込は以下リンクから◆
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeZLycElB_TPoWqpBCYhIUC8QRheWV6i5V5724OhOj8TEhN9Q/viewform?usp=sf_link

連続セミナー2022(全7回)「外国人人権基本法」を作ろう! 第4回 チラシ(PDF)

 

《呼びかけ》

◆日本で暮らす外国人は300万人を超え、日本は今や「移⺠社会」となっています。しかし、政府は「移⺠政策」への転換を拒み、「人権政策」なしの「外国人労働力政策」に終始しています。

◆2020年、2021年とつづくコロナ感染拡大、2021年ミャンマーの軍事クーデター、2022年ロシアのウクライナ侵略……のなかで、いま日本に求められているのは、難⺠としての受け入れであり、窮地に追い込まれている移⺠・外国籍住⺠の緊急支援です。それと共に、「外国人∕移⺠・難⺠の権利に関する基本法」であり、「人種差別撤廃法」「難⺠保護法」の立法化であり、「国内人権機関の設置」「個人通報制度の実現」が急務の課題なのです。そうした基本的な、必要不可欠な人権システムの上に、「包括的な移⺠法」が構想されなければならないでしょう。

◆これまで市⺠社会から提起された「外国人の人権に関する基本法案∕政策提言」を踏まえて、2004年の日弁連第47回人権擁護大会第1分科会シンポジウム実行委員会が作成した「外国人・⺠族的少数者の人権基本法要綱試案」を主要テキストとして、弁護士・研究者・NGO・市⺠それぞれの現場から意見を出し合い、その最新版を作成していきます。

◆今秋から来年にかけて図られようとしている入管難⺠法の改悪と、新たな外国人労働力導入制度を阻止すると共に、法務省・入管庁主導による在留管理強化のもとでの「多文化共生施策」の欺瞞に対峙して、私たち市⺠社会がめざす「多⺠族・多文化共生」の実現に
向けた市⺠法案を、国会へ提起していきましょう。


NEXT⇒⇒⇒2022年11月1日
「外国にルーツをもつ子どもの現状と人権基本法」
殷 勇 基さん(弁護士/外国人人権法連絡会運営委員)

◆連続セミナー スケジュール
第1回 7月19日(火)夜7時~8時30分/オンライン  *開催済*
「人権基本法作成から18年、その再構築の主要課題」 講師:丹羽雅雄さん(弁護士/外国人人権法連絡会共同代表/移住連理事)

第2回 8月9日(火)夜7時~8時30分/オンライン    *開催済*
「劣悪な難民認定制度と人権基本法」講師:難波 満さん(弁護士/全国難民弁護団連絡会議事務局長/外国人人権法連絡会運営委員)

第3回 9月20日(火)夜7時~8時30分/オンライン   *開催済*
「外国人労働者政策の根本的転換と人権基本法」講師:旗手 明さん(自由人権協会理事/外国人人権法連絡会運営委員/移住連運営委員)

第4回 10月11日(火)夜7時~8時30分/オンライン
「政府主導の共生施策の欺瞞と人権基本法」講師:鈴木江理子さん(国士館大学教員/外国人人権法連絡会運営委員/移住連共同代表)

第5回 11月1日(火)夜7時~8時30分/オンライン
「外国にルーツをもつ子どもの現状と人権基本法」講師: 殷 勇 基さん(弁護士/外国人人権法連絡会運営委員)

第6回 12月20日(火)夜7時~8時30分/オンライン
「ジェンダー/複合差別と人権基本法」講師:元 百合子さん(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員)

第7回 1月17日(火)夜7時~8時30分/オンライン
「未解決の戦後補償と人権基本法」講師: 田中 宏さん(一橋大学名誉教授/外国人人権法連絡会共同代表)

2022年7月19日(火)連続セミナー2022(全7回)「外国人人権基本法」を作ろう! 第1回 開催のお知らせ

連続セミナー2022(全7回)「外国人人権基本法」を作ろう!
第1回:人権基本法作成から18年、その再構築の主要課題

・講師     :丹羽雅雄さん(弁護士/外国人人権法連絡会共同代表/移住連理事)
・開催日時   :2022年7月19日(火)19:00~21:00
・開催方法   :オンライン(zoom)
・応募締切   :2022年7月17日(日)まで
※7月18日に参加URLを送付します。
・参加費    :無料
※外国⼈⼈権法連絡会にカンパをお願いします(リンク)。
・主催     :外国⼈⼈権法連絡会 (共催)/移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
・お問い合わせ先:info@gjhr.net

◆申込フォームは以下リンクから◆
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScWIg-jCD_i9AWPv-e6JLvXvZvRUupFZ_xglEiXEzXeqHucgw/viewform?usp=sf_link

 

2022年7月19日(火)連続セミナー2022(全7回)「外国人人権基本法」を作ろう! 第1回 チラシ(PDF)

 

◆日本で暮らす外国人は300万人を超え、日本は今や「移⺠社会」となっています。しかし、政府は「移⺠政策」への転換を拒み、「人権政策」なしの「外国人労働力政策」に終始しています。

◆2020年、2021年とつづくコロナ感染拡大、2021年ミャンマーの軍事クーデター、2022年ロシアのウクライナ侵略……のなかで、いま日本に求められているのは、難⺠としての受け入れであり、窮地に追い込まれている移⺠・外国籍住⺠の緊急支援です。それと共に、「外国人∕移⺠・難⺠の権利に関する基本法」であり、「人種差別撤廃法」「難⺠保護法」の立法化であり、「国内人権機関の設置」「個人通報制度の実現」が急務の課題なのです。そうした基本的な、必要不可欠な人権システムの上に、「包括的な移⺠法」が構想されなければならないでしょう。

◆これまで市⺠社会から提起された「外国人の人権に関する基本法案∕政策提言」を踏まえて、2004年の日弁連第47回人権擁護大会第1分科会シンポジウム実行委員会が作成した「外国人・⺠族的少数者の人権基本法要綱試案」を主要テキストとして、弁護士・研究者・NGO・市⺠それぞれの現場から意見を出し合い、その最新版を作成していきます。

◆今秋から来年にかけて図られようとしている入管難⺠法の改悪と、新たな外国人労働力導入制度を阻止すると共に、法務省・入管庁主導による在留管理強化のもとでの「多文化共生施策」の欺瞞に対峙して、私たち市⺠社会がめざす「多⺠族・多文化共生」の実現に
向けた市⺠法案を、国会へ提起していきましょう。



【次回予告】

⇒⇒⇒2022年8月9日:難波満さん「劣悪な難民認定制度と人権基本法」 予定しています!

「外国人・民族的マイノリティ人権白書」2022年版を発刊しました。

当連絡会が毎年発刊している「日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書」2022年版を発刊しました。

目次などの情報を以下のページに掲載しています。

人権白書 2022年版

 

販売部数は現時点で600部を予定しています。

ぜひ、お手元にとってご覧ください。(購入方法も、下記ページに掲載しています。)
※既に当連絡会の会員になられている方には、1冊お送りしますので、購入申し込みはしなくて大丈夫です。

4月23日(土)「2022年総会記念シンポジウム」開催のお知らせ

外国人人権法連絡会の2022年総会の開催に合わせて、記念シンポジウムを開催します。
ぜひご参加下さい。


【2022年外国人人権法連絡会 総会記念シンポジウム】
ヘイトクライムからジェノサイドへの途 ~今こそ人種差別撤廃法の制定を~

日時  :4月23日(土)15:00~17:00
開催形式:オンライン(zoon/ウェビナー)
・お申込みフォーム
https://forms.gle/WYEML7NbgYxZXKhY7
※〆切は4月21日までにお願いします。
※前日(22日)にウェビナーのURLをお送りします。
参加費 :無料
※カンパ歓迎(https://gjhr.net/donation/
主催  :外国人人権法連絡会
連絡先 :info@gjhr.net

◆プログラム◆
①基調講演
「⼈種」的憎悪から⼤量虐殺へ 〜ヘイトスピーチ規制の不可避性〜
・⾦⼦マーティンさん(日本女子大学名誉教授)
②活動報告
ヘイトクライム対策提言と人種差別撤廃法モデル案を中心に
・師岡康子事務局長
シンポジウムコーディネーター
・丹羽雅雄共同代表
 

2022年外国人人権法連絡会総会総会記念シンポジウムチラシ(PDF)

 

《趣旨》
2020年、川崎市「ふれあい館」に在日コリアンの虐殺を宣言する「年賀」ハガキが届きました。同年より新型コロナウイルスが世界中で流行すると、欧米ではアジア系を狙った差別行為が繰り返され、日本国内においても中国人への差別が続出しました。そして、2021年7月には愛知県及び奈良県の民団、8月には京都にある在日コリアンコミュニティ「ウトロ」が放火されるという事件が起きました。
今、日本社会はヘイトスピーチが日常化し、明確なヘイトクライムが続発しながら、それを止める法制がない危険な状態です。
差別の放置、それはジェノサイド(大量虐殺)という極限にまで達する恐れがあることを歴史が語っています。本シンポジウムでは、差別から「ホロコースト」に至った歴史から、なぜ包括的な差別撤廃法が必要なのかについて共に考えていきましょう。

◆講師プロフィール◆
金子マーティンさん
1949年イギリス⽣まれ。1956年初来⽇。オーストリア国籍。⽇本国在留資格:永住者。
⽇本⼥⼦⼤学名誉教授、反差別国際運動事務局次⻑。主な書籍:『神⼾・ユダヤ⼈難⺠1940-1941』(みずのわ出版、2003年)、『ロマ⺠族の起源と⾔語』(解放出版社、2021年)

※嫌がらせやネットでの中傷等を目的とした参加、または差別主義団体関係者の参加は固くお断りします。
※集会の趣旨に反するような言動および行為があった場合、主催者の判断で退席いただくことがあります。
※当日のスクリーンショット含む写真・動画撮影は、主催者以外及び許可を受けた方以外は禁止となります。

文科省「学生支援給付金」に対する要請行動のご報告

5月29日(金)、文部科学省が公表した「『学びの継続』のための学生支援緊急給付金」に対し共同声明※1を出した移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、外国人人権法連絡会、人種差別撤廃NGOネットワーク、のりこえねっと、反差別国際運動(IMADR)の5団体と、外国ルーツの学生・留学生・朝鮮大学校の学生と共に要請行動を行ないました。

※1「学生支援給付金」に関しすべての困窮学生への給付を求める声明(5月25日付)

また、文科省との交渉の他、インターネット署名サイトChange.Org※2のキャンペーンで集められた約5万5千筆の署名提出の立会いと記者会見も開催しました。

※2「外国人学生に日本人学生と同じ基準で現金給付をして下さい!

要請の内容は、声明で求めた以下の3点です。

  1. 支給対象者が43万人と非常に少なく、困窮している全ての学生を対象とすること。
  2. 留学生にのみ成績上位の要件が設けられていることは、国籍差別にあたること。
  3. 「一条校」(学校教育法第1条)及び日本語教育機関以外の学校が支援から外されており、朝鮮学校などの外国人学校も対象とすること。

記者会見には、当会から田中宏共同代表と師岡康子事務局長が参加し、主に朝鮮大学校が対象外となっている点を指摘しました。師岡事務局長は「国際人権条約違反の差別」と批判。合わせて田中共同代表からは、日本による朝鮮半島への植民地支配の歴史とその責任という視点から問題点を明らかにしました。

「朝鮮人の民族教育の保障は日本の責務だが、それを果たさず外国人の教育を保障する政策がないという問題が背景にある」「貧しきを憂えず、等しからざるを憂う社会であってほしい」

(田中宏共同代表の発言より)

 

今回の要請行動では、残念ながら文科省から満足のいく回答を得ることは出来ませんでした。状況を改善させられるよう、今後も要請を行なってまいります。


詳細につきましては、各メディアから報道がされていますのでご覧ください。

共同通信「留学生だけ『成績上位』撤回を 5万5千筆の署名提出」
毎日新聞「『留学生のみ成績条件は問題』 困窮学生『給付金』で人権団体が文科省に改善要請」
西日本新聞「『困窮留学生全てに給付金を』 成績要件撤廃求め5団体が署名提出」
神奈川新聞「困窮学生への国支援策 留学生らが成績要件撤回など求める」
朝鮮新報「〈学生支援緊急給付金問題〉“皆が共通して困難な時期になぜ?”/会見で指摘された3つの問題点」
BuzzFeed 「『このままでは勉強が続けられない』3人の学生が語ったこと。困窮学生への緊急給付金のあり方とは」

人種差別撤廃基本法 モデル案

外国人人権法連絡会の運営委員会において、人種差別撤廃条約の理念に則り、日本における人種差別の撤廃に向けた効果的な政策を行なうための国内法として、「人種差別撤廃基本法案」のモデル案を作成しました。 多くの方に関心を持ってもらうことを強く望んでいます。(2015年1月27日)

※一部修正するとともに、注釈・参考法令を加えました。(2015年2月3日)


人種差別撤廃基本法案

外国人人権法連絡会 運営委員会

枠組:人種差別撤廃条約の実施を確保するため、国と地方公共団体の人種差別を撤廃する責務を定め、実施に向けての実態調査及び提言権限を有する「人種差別撤廃政策審議会」(障害者基本法における「障害者政策委員会」類似の国家行政組織法8条委員会)を内閣府に新設する。

第1条 目的
この法律は、すべての人が生まれながらにして基本的人権を等しく享有するかけがえのない個人として尊重されるべきとの世界人権宣言の理念にのっとり、差別がマイノリティ 1)の尊厳を傷つけ、かつ、自由、平等、平和な共生社会の実現並びに諸国間の友好的かつ平和的な関係に対する障壁となることに鑑み、人種差別が社会において許容されないものであることを宣言するとともに、人種差別の撤廃に向けた国、地方公共団体等の責務を明らかにし、人種差別撤廃のための施策を総合的かつ効果的に推進し、人種差別撤廃条約及び憲法第14条の適確な実施を確保することを目的とする 2)

第2条 定義
「人種差別」:人種等の属性にもとづくあらゆる区別、排除または制限であって、政治的、経済的、文化的その他の社会生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう 3)
「人種等」 4) :人種、皮膚の色、世系、民族的もしくは種族的出身、国籍 5)、門地若しくは社会的身分

第3条 差別の禁止 6)
何人も、下記にあげたことその他の人種差別をしてはならない。

  1. 採用、労働条件その他の労働関係、医療、社会保障、教育、不動産、物品若しくは役務の提供、団体加入などのあらゆる社会生活における人種等を理由とする差別的取扱い 7)
  2. 意図的な、公然たる、人種等の共通の属性を有する特定または不特定の者についての 8)、当該属性を理由とする侮蔑、威嚇その他の差別的言動 9)
  3. 1の差別的扱いを助長する、特定または不特定の者についての公然たる差別的言動 10)

第4条 国及び地方公共団体の責務
国及び地方公共団体は、人種差別撤廃条約の趣旨にのっとり、人種差別を批判し、人種差別を撤廃し、すべての人種等の間の理解を促進する政策を策定し、遂行する責務を負う 11)

第5条 基本方針

  1. 政府は、人種差別の撤廃に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、人種差別の実態に応じた、差別撤廃に関する基本方針を定めなければならない。
  2. 内閣総理大臣は、基本方針を定めるにあたっては、関係行政機関の長と協議するとともに、人種差別撤廃政策審議会の提言を踏まえて基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。その際、人種差別の被害者その他関係者の意見を聴き、その意見を尊重しなければならない 12)

第6条 国及び地方公共団体の措置

  1. 国及び地方公共団体は、これまでの政策を再検討し、人種差別を生じさせたり、永続化させたりする効果を持ついかなる法令も改正し、廃止し、無効にするために効果的な措置をとる。 13)
  2. 国及び地方公共団体は、人種差別を禁止する法制度を整備する 14)
  3. 国及び地方公共団体は、人種差別行為の防止、人種差別行為からの保護及び被害者の救済のための効果的な制度を整備する 15)
  4. 国及び地方公共団体は、人種差別撤廃条約に合致するよう法令及び条例を解釈し、運用・執行する。
  5. 国及び地方公共団体は、人種等の間の障壁を撤廃する手段を奨励し、人種等の間の分断を強めるようないかなる動きも抑止する措置をとる 16)
  6. 国及び地方公共団体は、すべての公務員が人種差別にたずさわらず、また、人種差別を後援、擁護、支持しないよう、研修を行う 17)。公務員が人種差別に関わった場合に懲戒の対象とする 18)
  7. 国及び地方公共団体は、人種差別につながる偏見をなくし、異なる人種等の諸集団の間での理解と友好を促進するため、人種差別撤廃条約などの国際人権諸条約の普及を含む教育、啓発、文化活動、その他の交流の促進その他の措置を行う 19)
  8. 国及び地方公共団体は、第1条に規定する社会の実現を図るための施策が国際社会との協調と密接に関係していることに鑑み、国際連合、近隣諸国、日本に居住する外国籍者の出身国をはじめとする関連諸機関及び関連諸国などとの国際的協調の下に図られなければならない 20)
  9. 国及び地方公共団体は、人種差別の撤廃に向けた取組が促進されるよう、国内外における人種差別撤廃の取り組みに関する情報の収集、整理及びそれらの情報提供を行う 21)
  10. 国及び地方公共団体は、人種差別の撤廃に取り組む民間の団体及び地域における取組が果たしている役割の重要性に留意し、これらの団体等との緊密な連携の確保及びそれらの活動に対する必要な支援に努めるものとする。
  11. 国及び地方公共団体は、インターネットにおける、第3条2又は3に該当する表現について、その制限に関する事業者の自主的な取組及び被害者の取組を支援するために必要な措置を講ずる。

第7条 年次報告
政府は、毎年、国会に、政府が講じた人種差別の撤廃に関する施策の実施状況に関する報告書を提出しなければならない 22)

第8条 法制上の措置等
国及び地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない 23)

第9条 人種差別撤廃政策審議会の設置 24)

  1. 国は、内閣府に人種差別撤廃政策審議会を置く。
  2. 人種差別撤廃政策審議会は、下記の事務を行う。
  3. (1) 内閣総理大臣に対し、人種差別撤廃の基本方針について、提言を行う。そのために、人種差別の実情について全国的な調査を行い、報告書を作成する。
    (2) 日本の人種差別に関する重要事項状況について調査審議し、人種差別の撤廃のために必要と認めるときは、内閣総理大臣または関係機関の長に対し、提言または是正勧告を行う。
    (3) 政府が国連に提出する人種差別に関する報告書について、意見を述べることができる。
    (4) その事務を遂行するために必要と認めるときは、関係機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
    (5) 事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に定める以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
  4. 内閣総理大臣または関係機関の長は、前項(2)の規定による是正勧告に基づき講じた施策について審議会に報告しなければならない。

第10条 人種差別撤廃政策審議会の構成

  1. 人種差別撤廃政策審議会は、15人以内の委員により構成する。
  2. 委員は、人種などの属性におけるマイノリティに属する者、人種差別と取り組んで来た団体、人種差別に関する研究者・弁護士、人種差別撤廃教育の専門家、差別の実態調査に関する社会調査・統計の専門家、差別の被害者を扱うカウンセラー等の中から、両議会の同意を経て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、委員の構成については、審議会が多様なマイノリティの意見を聴き、差別の実情を踏まえた調査審議を行うことができるよう、配慮されなければならない 25)

第11条 人種差別撤廃政策地方審議会 26)
人種差別撤廃政策審議会は、下記の事務を行う。

  1. 都道府県は、人種差別撤廃のための担当部署を設置し、また、政策などの立案、諮問、提言、監視機関として人種差別撤廃政策地方審議会を設置しなければならない。
  2. 市区町村は、人種差別撤廃のための担当部署を設置し、また、政策などの立案、諮問、提言、監視機関として人種差別撤廃政策地方審議会を設置することができる。

第12条 事業者の責務 27)
事業者は、その事業活動を行うに当たって、人種差別が行われることのないよう必要な措置を適切に講ずるよう努めなければならない。

第13条 私人の責務 28)
すべての私人は、人種差別の撤廃の推進に寄与するよう努めなければならない。

【注釈・参考法令】
1) 「マイノリティ」との用語は、国内法となっている自由権規約第27条の原文(英文)で使われている。その他、使われている国連文書は、国連マイノリティの権利宣言、国連自由権規約委員会の自由権規約第27条に関する一般的意見、国連人種差別撤廃委員会2014年総括所見パラ11他、国連自由権規約委員会2014年総括所見パラ12等。
2) 障害者基本法第1条参照。
3) 人種差別撤廃条約第1条1項から「優先」を除いたもの。「公的生活」との用語はわかりにくいので、「社会生活」に変更した。
4) 人種差別撤廃条約第1条1項及び憲法第14条にあげられている人種主義関連の事由。
5) 「国籍」は条約上差別事由として明記されていないが、国連人種差別撤廃委員会一般的勧告30及び国連自由権規約委員会の自由権規約第27条に関する一般的意見により、原則として差別禁止の対象となっている。日本では民族差別は主要に国籍差別の形態をとる。
6) 障害者基本法第4条1項参照。
7) 人種差別撤廃条約第5条。
8) 直接対象となる人々に対して向けられる必要はない。
9) 人種差別撤廃条約第4条が対象とするヘイト・スピーチのうちの悪質なものの例示。
10) 「外国人お断り」とのポスターなどを想定している。
11) 人種差別撤廃条約第2条1項本文及び障害者差別解消法第3条。
12) 障害者基本法第10条。
13) 人種差別撤廃条約第2条1項(c)。
14) 人種差別撤廃条約第2条1項(d)。
15) 人種差別撤廃条約第6条。
16) 人種差別撤廃条約第2条1項(e)。
17) 人種差別撤廃条約第2条1項(a)(b)、障害者差別解消法第5条。
18) 人種差別撤廃条約第4条(c)。国連人種差別撤廃委員会2014年総括所見パラ11。
19) 人種差別撤廃条約第7条。
20) 障害者基本法第5条。
21) 人種差別撤廃条約第7条。
22) 障害者基本法第13条。
23) 障害者基本法第12条。
24) 障害者基本法第32条。
25) 障害者基本法第33条2項。
26) 障害者基本法第36条。
27) 環境基本法第8条。
28) 障害者差別解消法第4条。