カテゴリー: 人種差別撤廃基本法

4月23日(土)「2022年総会記念シンポジウム」開催のお知らせ

外国人人権法連絡会の2022年総会の開催に合わせて、記念シンポジウムを開催します。
ぜひご参加下さい。


【2022年外国人人権法連絡会 総会記念シンポジウム】
ヘイトクライムからジェノサイドへの途 ~今こそ人種差別撤廃法の制定を~

日時  :4月23日(土)15:00~17:00
開催形式:オンライン(zoon/ウェビナー)
・お申込みフォーム
https://forms.gle/WYEML7NbgYxZXKhY7
※〆切は4月21日までにお願いします。
※前日(22日)にウェビナーのURLをお送りします。
参加費 :無料
※カンパ歓迎(https://gjhr.net/donation/
主催  :外国人人権法連絡会
連絡先 :info@gjhr.net

◆プログラム◆
①基調講演
「⼈種」的憎悪から⼤量虐殺へ 〜ヘイトスピーチ規制の不可避性〜
・⾦⼦マーティンさん(日本女子大学名誉教授)
②活動報告
ヘイトクライム対策提言と人種差別撤廃法モデル案を中心に
・師岡康子事務局長
シンポジウムコーディネーター
・丹羽雅雄共同代表
 

2022年外国人人権法連絡会総会総会記念シンポジウムチラシ(PDF)

 

《趣旨》
2020年、川崎市「ふれあい館」に在日コリアンの虐殺を宣言する「年賀」ハガキが届きました。同年より新型コロナウイルスが世界中で流行すると、欧米ではアジア系を狙った差別行為が繰り返され、日本国内においても中国人への差別が続出しました。そして、2021年7月には愛知県及び奈良県の民団、8月には京都にある在日コリアンコミュニティ「ウトロ」が放火されるという事件が起きました。
今、日本社会はヘイトスピーチが日常化し、明確なヘイトクライムが続発しながら、それを止める法制がない危険な状態です。
差別の放置、それはジェノサイド(大量虐殺)という極限にまで達する恐れがあることを歴史が語っています。本シンポジウムでは、差別から「ホロコースト」に至った歴史から、なぜ包括的な差別撤廃法が必要なのかについて共に考えていきましょう。

◆講師プロフィール◆
金子マーティンさん
1949年イギリス⽣まれ。1956年初来⽇。オーストリア国籍。⽇本国在留資格:永住者。
⽇本⼥⼦⼤学名誉教授、反差別国際運動事務局次⻑。主な書籍:『神⼾・ユダヤ⼈難⺠1940-1941』(みずのわ出版、2003年)、『ロマ⺠族の起源と⾔語』(解放出版社、2021年)

※嫌がらせやネットでの中傷等を目的とした参加、または差別主義団体関係者の参加は固くお断りします。
※集会の趣旨に反するような言動および行為があった場合、主催者の判断で退席いただくことがあります。
※当日のスクリーンショット含む写真・動画撮影は、主催者以外及び許可を受けた方以外は禁止となります。

2/24(木)院内集会「今こそ国によるヘイトクライム対策の実現を求める院内集会」

今こそ国によるヘイトクライム対策の実現を求める院内集会

◆日時:2022年2月24日(木)15:00-16:30
◆会場:オンライン(Zoom)
◆プログラム
・ウトロでの放火事件の動画上映
・金秀煥さん(一般財団法人ウトロ民間基金財団理事)
・具良鈺さん(弁護士)
・外国人人権法連絡会「国に対するヘイトクライム対策の提言」

◆2月23日(水)までに以下のリンクからご登録ください。
https://forms.gle/Yi7Ynmb1uWUDuRQC6

20220224院内集会チラシPDF版

〈開催主旨〉
2021年7月、愛知の民団及び韓国学校、8月には京都の在日コリアン集住地区であるウトロの民家を燃やした連続放火事件が起きました。被疑者は「韓国人が嫌い」と述べたと報道されており、差別的動機に基づく犯罪=ヘイトクライム(差別犯罪)と思われます。コリアンというだけで生命の危険に晒されることを意味し、コリアンルーツの人々を恐怖に陥れています。死者が出なかったのは運が良かったことでしかありません。
2016年に日本ではじめての反人種差別法であるヘイトスピーチ解消法ができました。ですが、同法は禁止規定もなく、現在もヘイトスピーチは止まっていません。今回の事件に対しても、ネット上にはヘイトクライムを賛美する差別書き込みがあふれています。
そもそもヘイトクライムについて国は人種差別撤廃条約にもとづき重く処罰するなど対策をとる義務を負っており、政府は国連に対して「刑事裁判手続において、動機の悪質性として適切に立証しており、裁判所において量刑上考慮されている」と報告しています。しかし、実際には2020年の在日コリアン虐殺を宣言した川崎市ふれあい館への連続脅迫文書事件の判決でも考慮はされず、そのような裁判例は聞いたことがありません。
他方、アメリカでは日本人を含むアジア系住民に対するヘイトクライムが急増していますが、大統領がすぐに現地に訪れ、ヘイトクライムを非難し、議会はヘイトクライム対策新法を成立させました。
本集会ではウトロ放火の現場に直面した金秀煥さんから事件について、ヘイトクライムのもたらす深刻な被害について具良鈺弁護士から報告していただきます。その上で、国が国際人権法の要請に合致するヘイトクライム対策について具体的な提言を行います。差別と暴力のない社会をめざすすべての皆さんに参加をよびかけます。

◆主催 「今こそ国によるヘイトクライム対策の実現を求める院内集会」実行委員会
◆連絡先:5antiracistgroups@gmail.com
※嫌がらせやネットでの中傷等を目的とした参加、および差別主義団体関係者の参加は固くお断りします。

「止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明」について、法務省への面談交渉のご報告

4月23日(金)14時に、法務省にて、「止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明」文(3月31日付)と138の賛同団体リスト(4月17日時点)を渡し、具体的なヘイトクライム対策を取るよう要請行動を行いました。

要請行動には、田中宏共同代表のほか、ヘイトクライムの被害者とその弁護団、人種差別撤廃基本法を求める議員連盟の国会議員4名(白真勲議員、有田芳生議員、畑野君枝議員、打越さく良議員)が参加しました。

法務省からは人権擁護局から杉浦直紀人権擁護局総務課長ほか3名、刑事局から1名が出席しました。菊池 浩人権擁護局長も出席予定でしたが、急遽国会審議へ出席のため不参加となりました。

法務省からは、差別をなくしていくための一層の啓発活動を進めたい、犯罪にあたる場合きちんと対応したいとの意見表明がありました。それに対し、当連絡会からは、啓発のみではヘイトスピーチ、ヘイトクライムは事実としてとまっておらず、個別の事件対応のみならず、特別の対策を要するヘイトクライム問題として政府が認識し、許さないことを公的に表明し、政府内に担当部署を置き、調査や研究を進めるなど具体的な対策をとるよう要請しました。

議連の議員からも、菅首相がバイデン大統領との間でヘイトクライム問題について議論し  「人種などによって差別を行うことは許されないと一致した」  と表明し、国会でも「(人種差別は)いかなる社会でも許されない」と発言したこと(「人種差別、首相『いかなる社会でも許容されない』」『神奈川新聞』2021年4月22日配信)などを示し、日本におけるヘイトクライムについて、アメリカのように具体的なヘイトクライム対策をとるよう要請しました。

要請行動の場で法務省から具体的な対策について言及があったわけではありませんが、出席者は被害者の話を真摯に受け止める姿勢であり、面談時間は20分の予定でしたが、40分に延長されました。

当連絡会は今回の面談交渉を新たなスタートラインとし、要請行動、 調査研究活動、 キャンペーンなど、国のヘイトクライム対策を実現するよう取り組みます。

被害者は日々恐怖のもとにおかれ、同じ属性を有するマイノリティの人々は声をひそめて暮らす日々を強いられており、ヘイトクライムを止めることは緊急の課題です。ヘイトクライムを止めるには国がヘイトクライム対策を取ることが不可欠ですが、そのためにも、共に生きる私たち一人一人が、国に実現を要請し、差別に抗議するなど、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムを止めるための声をあげることが必要です。共に取り組むことを呼びかけます。

 

 


◆賛同団体一覧
 138団体 <2021年4月17日(土)21時現在>

海老名解放教育研究協議会/かながわ平和憲法を守る会/平和力フォーラム/人権ネットワーク・東京/部落解放同盟東京都連合会台東支部/岐阜朝鮮初中級学校の子どもたちを支援するポラムの会/法と言語研究室/NPO法人共生フォーラムひろしま/フィリピン人元「従軍慰安婦」を支援する会/今、憲法を考える会/靖国・天皇制問題情報センター/キリスト教事業所連帯合同労働組合/ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会/パレスチナ連帯・札幌/平和を考え行動する会/TQC 東京給水クルー/#FREEUSHIKU/ウィメンズマーチ大阪/株式会社 No!Hate小店/在日韓国人問題研究所(RAIK)/外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)/Save Immigrants Osaka/大阪女学院中学高等学校/アジェンダ・プロジェクト/日本キリスト教協議会/一般社団法人ひょうご部落解放・人権研究所/かけこみ女性センターあいち/埼玉・コリア 21/ハムケ・共に/外国人との共生を実現する九州・山口キリスト者連絡協議会/全国教会女性連合会 ncwa/日本YWCA/立川町田朝鮮学校支援ネットワーク・ウリの会/在日大韓基督教会社会委員会/在日大韓基督教会関東地方会社会部/在日大韓基督教会熊本教会/一般社団法人神奈川人権センター/かながわ平和憲法を守る会/平和憲法を守る荒川の会/反差別国際運動(IMADR)/人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)/札幌市に人種差別撤廃条約をつくる市民会議/大阪教育合同労働組合高校支部/部落解放同盟東京都連合会/部落解放同盟東京都連合会練馬支部/NPO法人練馬人権センター/部落解放同盟東京都連合会品川支部/部落解放同盟東京都連合会品川支部/「生きる権利を市民の手で!」の会/西南韓国基督会館(西南KCC)/在日大韓基督教会西南地方会社会部/外国人住民との共生を実現する九州・山口キリスト者連絡協議会/えひめ教科書裁判を支える会/ (特活)コリアNGOセンター/全国キリスト教学校人権教育研究協議会/コンティーゴ あなたといっしょ/日本キリスト教会 人権委員会/カラバオの会/反差別相模原市民ネットワーク/沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会/信州渡来人倶楽部/日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク/日本基督教団 上大岡教会 役員会/アジア女性資料センター/日本キリスト教会横浜桐畑教会靖国神社問題委員/ベルリン女の会/「慰安婦」問題を考える市民の会・相模原/移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)/沖縄カウンターズ/沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック/ふぇみん婦人民主クラブ/日本カトリック難民移住移動者委員会/日本キリスト教会東京告白教会/日本キリスト教会大会靖国神社問題特別委員会/関西合同労働組合/部落解放同盟東京都連合会女性部/神奈川県をよくしたい都筑区民の会/ヒューマンライツナウ/枝川朝鮮学校支援都民基金/日本聖公会正義と平和委員会/日本聖公会人権問題担当者/一票で変える女たちの会/民青神奈川県委員会/日本聖公会/研究所テオリア/NPO法人 神戸定住外国人支援センター(KFC)/エルクラノの会/9条連・近畿/平和を考え行動する会/いいね狛江/東久留米の教科書を考える会/部落解放同盟東京都連荒川支部/日朝友好連帯埼玉県民会議/日本朝鮮学術教育交流協会/岐阜県地下壕研究会/聖心侍女修道会社会司牧チーム/龍谷大学社会科学研究所付属機関安重根東洋平和研究センター/日本聖公会青年委員会/一般社団法人神戸コリア教育文化センター/朝鮮人学校校名碑に集う会/関西合同労働組合/ZENKO・滋賀/日本基督教団部落解放センター/一般社団法人山口県人権啓発センター/部落解放同盟山口県連合会/ピースボート/アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク/日本キリスト教会鶴見教会 社会問題委員会/日本キリスト教会東京中会ヤスクニ・社会問題委員会/日本基督教団神奈川教区寿地区センター/マイノリティ宣教センター/平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)/部落解放同盟東京都連合会練馬支部/日本聖公会大阪教区宣教局社会宣教・在日韓国朝鮮人宣教協働委員会/日本キリスト教協議会(NCC)都市・農村宣教(URM)委員会/聖心侍女修道会社会司牧チーム/ストップ秘密保護法かながわ/時を見つめる会/在日本大韓民国民団中央本部 人権擁護委員会/在日大韓基督教会名古屋教会/一般社団法人 Voice Up Japan/ふぇみ・ゼミ/戦争をさせない1000人委員会・しが/のりこえねっと/朝鮮学校を支える町田市民の会/朝鮮学校に教育保障を!オッケトンムの会/すべての人に尊厳と人権を!ヘイトクライムをなくそう!神戸連絡会/枝川朝鮮学校支援都民基金/差別・排外主義に反対する連絡会/NPO法人多民族共生人権教育センター/在日コリアン弁護士協会(LAZAK)/ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク/労働組合なにわユニオン/かながわみんとうれん/神戸国際支縁機構/神戸国際キリスト教会/エラスムス平和研究所/在日本朝鮮人人権協会


要請行動について、各メディアで報道されました。
下記リンクよりご覧ください。

BuzzFeed News「『誰かが死ぬまで待っているんですか?』川崎で起きたヘイトクライム、法務省に問うた理由」(2021年4月23日配信)
朝日新聞「法務省にヘイトクライム対策求める 在日コリアン崔さん」(2021年4月23日配信)
東京新聞「ヘイトクライム対策を NGOなど法務省に要請」(2021年4月24日配信)
神奈川新聞「『ヘイトクライム被害に対策を』 NGOが法務省に訴え」(2021年4月24日配信)

 

【延期】2021年総会記念シンポジウム 「戦前・戦後の『外国人』政策を検証する ――多民族多文化共生社会をめざして」開催のお知らせ

20210408追記:本イベントは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から延期となりました。
オンラインでの開催も予定しておりましたが、こちらも諸事情により困難となってしまいました。
重ね重ね申し訳ありません。

今後の代替開催等の予定につきましては、事態を踏まえつつ検討し、随時当会のホームページやSNS等にてお知らせします。
ご理解のほど、お願い致します。


止まらぬヘイトスピーチ・ヘイトクライム、3歳の子どもまで差別する無償化制度からの朝鮮学校排除、収容者を見殺しにする無期限収容制度、難民申請者を犯罪化する入管法改悪案―なぜ人を人として扱わない残酷なことがまかり通ってしまっているのでしょうか。
日本の「外国人」政策の歴史と現状を問い直し、誰もが国籍や民族等により差別されることなく、共に生きる社会を作るためにはどうすべきか一緒に考えましょう。

 

20210424「外国人人権法連絡会総会記念シンポジウム」チラシPDFダウンロード:モノクロ
20210424「外国人人権法連絡会総会記念シンポジウム」チラシPDFダウンロード:カラー

 

●主催:外国人人権法連絡会

日時:2021年 4月 24日 (土) 14:00~16:20

●会場:川崎市労連会館 5階小ホール(オンライン配信有)

●プログラム:
①基調講演
丹羽雅雄さん(弁護士/外国人人権法連絡会共同代表)
「裁判で問われる植民地主義と人種差別 ――加害の歴史に向き合い、国際人権法を活かす」

②講演への応答
安田浩一さん(ジャーナリスト)
「問われる外国人政策 ――加害に無自覚な日本社会を変えるために」

・コーディネーター:師岡康子さん(弁護士)

●参加費:一般1000円/会員無料
(4月発行予定の最新2021年版『日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書』込)

<参加申し込み方法>
◆申込みフォーム https://forms.gle/Zt1z6SSXe6bDAbAK9
会場定員  :100人(先着順)
申し込み〆切:4月22日(木)まで

*感染対策のため、参加希望の方は事前申し込みをお願いします。
*新型コロナウィルスの影響で会場が使用できなくなった場合は、オンライン配信のみで行なう可能性があります。その場合には、決まり次第ご連絡致します。
*差別主義団体の関係者の参加はお断りします。

「止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明」への団体賛同のお願い

当会は、3月31日付で政府に対しヘイトクライムへの対策を求めた声明を発表しました。

※声明は下記リンクよりご覧になれます。
止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明(2021年3月31日付)

現在、本声明への賛同団体を募っております。
声明と合わせ、今月中に政府へ提出予定です。
賛同頂ける団体は、ぜひよろしくお願いします。


〈賛同方法〉

・賛同方法は以下の2つです。

①申し込みフォームからの賛同
https://forms.gle/bVdzY5UN7oXRtwgr6

②メールから賛同
アドレス:action@gjhr.net
こちらに賛同の旨を送ってください。
※送信の際、タイトルに「止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明への団体賛同」と入れて頂くと判別がしやすいので、ご協力のほどよろしくお願い致します。

〆切日時:2021年4月9日正午

止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明

2021年3月31日
外国人人権法連絡会

去る3月18日、川崎市桜本にある多文化共生を推進する施設「川崎市ふれあい館」の館長である在日コリアン女性宛に脅迫郵便物が届いた。朝鮮人に対する極めて侮蔑的な差別文言を連ねた後に「朝鮮人豚ども根絶やし」「コロナ入り残りかすを食ってろ自ら死ね死ね・・」と14回も「死ね」を繰り返した文書と、コロナウイルス入りの可能性のある、開封された菓子の空き袋が同封されていた。これは脅迫罪にあたる犯罪であり、同26日には館長による告訴状を警察が受理した。
同時に本件は単なる一般の犯罪にとどまらない、差別的動機に基づくヘイトクライムである。「ふれあい館」には2020年1月初めに在日コリアンの抹殺を宣言した年賀状が届き、1月末には爆破予告もされた。加害者は同年12月3日、威力業務妨害罪で有罪となった。しかし、3か月足らずでまた「ふれあい館」宛てに脅迫郵便物が届いたのである。
次から次へと襲う卑劣なヘイトクライムのターゲットとされた被害女性はいつ誰に襲われるかわからないとの恐怖で、防刃ベストを装着する生活を強いられており、その苦しみ、絶望感は想像を絶する。のみならず、属性を理由とする犯罪であることから、同じ在日コリアンという共通の属性を有する人たちにも同様の恐怖をもたらしている。このようなヘイトクライムを放置すれば、在日コリアンというだけで攻撃されても仕方がないとの雰囲気が社会に蔓延し、さらなる差別、暴力、ついにはジェノサイドや戦争につながることは歴史が示しており、決して許してはならない。
現在、コロナ禍において、アメリカでアジア系市民が銃殺されたり、街中で暴力を受けるヘイトクライムが増加していることが報道されている。しかし、それは他人ごとではない。新大統領のジョー・バイデン氏は、3月11日にヘイトクライムを非難し、(アジア系市民は)「道を歩くのに恐怖を感じなければならない。それは間違っている」と発言した。本件に象徴されるように、日本でも同様に、在日コリアンは差別と暴力を受ける恐怖と苦痛から逃れられない日常生活を強いられている。すでに2002年の拉致問題の報道の後、朝鮮学校の生徒たち、たとえば大阪の女子中学生の3人に1人は暴行ないし差別暴言を受けたとの調査結果もある。
バイデン氏は、3月19日、銃撃事件の現地を訪問し、アジア系団体と意見交換し、人種差別に「沈黙するのは加担するのと一緒だ」と語り、連邦議会に新ヘイトクライム対策法制定の必要性を強く訴えた。もとよりアメリカには「ヘイトクライム統計法」があり、連邦捜査局がヘイトクライムを調査・記録し、ヘイトクライム防止法も整備している。ヘイトクライム対策は人種差別撤廃条約上の義務なので、他の多くの国でも対策がとられている。
他方、日本政府はヘイトクライムに対して非難することすらほとんどない。1995年に人種差別撤廃条約に加入して以降、今もって担当部署もなく、調査や関連判例の収集も行わず、何等の対策も行っていない。2016年にヘイトスピーチ解消法が制定されたが、ヘイトクライムについては未だ公的な共通認識自体なく、問題として認定されていない。
国連人種差別撤廃委員会は、2001年以降の4回の審査において毎回日本にヘイトクライム対策を勧告してきた。これに対し、政府は、刑事裁判において差別的動機がある場合量刑事情として適切に考慮されているから特別な対策は必要ないと主張している。しかし、例えば京都朝鮮学校襲撃事件のような顕著な人種差別事件においても刑事裁判では差別性が認定されず、そのような事例はほとんど見当たらない。
差別に基づく事件なのに差別が認定されない、あるいは報復への恐れ、多額の裁判費用といった負担は一方的に被害マイノリティが負わされ、多くが泣き寝入りを強いられてきた。
路上では現在も差別主義団体が闊歩し、インターネット上には毎秒のように差別的な書き込みがなされている。日本社会には差別が蔓延し、コリアンが街中で民族の言葉、名前を表現したり、民族衣装を着ることを避けなければならないほど危険な段階に達している。
私たちは昨年、政府に対しヘイトクライム対策を策定するよう2020年1月及び6月に要請してきたが、政府は無策のまま、今回のヘイトクライムを許した。政府に対し、今度こそ、直ちに、人種差別撤廃条約をはじめとした国際人権諸条約に則って今回のヘイトクライムを非難し、ヘイトクライムを特別な対策が必要な問題として認め、実際に止めるために対策をとることを宣言することを強く求める。たとえば、首相ないし法務大臣が、一連のヘイトクライムを許さないと非難し、「ふれあい館」を訪問して被害当事者たちの話を聞き、政府はヘイトクライムを許さないと宣言すれば、大きな抑止力となり、ヘイトクライム根絶に向けたスタートラインとなるはずだ。
被害者を孤立させず、誰もが差別と暴力に怯えずに暮らすことができる共生社会をつくるべく、1人1人が沈黙することなく、「ヘイトクライムを許さない」との声をあげ、国に対策をとることを求めるよう強く呼び掛ける。


こちらの声明に対する団体賛同を募っています。
賛同方法は下記リンクをご覧ください。
よろしくお願い致します。

「止まらぬヘイトクライムを非難し、政府に緊急対策を求める声明」への団体賛同のお願い

在日コリアンへのヘイトクライムを強く非難し、国と市に具体的な対策を求める声明

2020年6月12日 外国人人権法連絡会

本日6月12日、本年1月の川崎市ふれあい館への脅迫年賀状及び1月27日の同館爆破と在日コリアンへの加害を予告する脅迫葉書送付の連続犯罪の被疑者が逮捕されたことが報道された。

これらの犯罪により、ふれあい館の利用者数は一時期前年比3分の1減少し、利用者、職員、近隣の住民たちは恐怖、緊張を強いられた。とりわけその属性によりターゲットとされた在日コリアンを苦しめつづけた悪質なヘイトクライムであり、到底許すことはできない。

当連絡会は「卑劣な『在日コリアン虐殺宣言』年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明」(1月20日付)、「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」(1月29日付)及び約5万通の署名提出などで国と市に緊急対応を求めてきた。今回の逮捕により警察がヘイトクライムを放置しないとの姿勢を示し、被害者に一定の安心をもたらしたことは評価したい。

しかし、政府はこれまでヘイトクライム対策を一切怠ってきた。ヘイトクライムは、その社会において歴史的構造的に差別されてきた属性を有する人々に対する迫害であり、直接名指しされた者のみならず、その属性を有する者すべてにとって、自分も狙われ、いつ実際に襲われるかとの日常的な恐怖、屈辱感、絶望感に落としいれる。また、社会にその属性をもつ人々を差別し攻撃してかまわないとの雰囲気が醸成され、暴力の連鎖、ジェノサイドや戦争ともつながり社会を破壊することからも、一般の犯罪と比べて害悪が深刻で、直ちに止める必要性が高く、日本も加盟している人種差別撤廃条約はヘイトクライムを厳しく処罰することを求めている。同条約の実施監督機関である国連人種差別撤廃委員会からは、日本はこれまで4回にわたる審査の度に、ヘイトクライムを法規制するよう強く勧告されてきた。

政府は、同委員会に対し、2001年以降、日本の刑事裁判手続きにおいて、人種主義は動機の悪質性として適切に立証され、裁判所において量刑上考慮されていると説明しつづけてきたが、これまで民族・国籍差別を理由として重く処罰された例は見当たらない。このような説明は虚偽に等しく、対策をとらないための逃げ口上といえる。

今回の脅迫文書のみならず、朝鮮学校及び生徒たちへの脅迫、器物損壊、暴行、傷害、威力業務妨害などのヘイトクライムが繰り返され、ネット上でも脅迫、名誉毀損罪などにあたる投稿が連日大量に投稿されるなど、日本社会に在日コリアンに対するヘイトクライムは蔓延している。しかもそのほとんどは、捜査・訴追さえされずに事実上不問に付されて来た。

アフリカ系アメリカ人であるというだけで警官に殺されうるアメリカの状況と同様に、日本においては、在日コリアンであるというだけで襲われうる状況がある。それゆえ民族学校の生徒たちは長らく学外で民族衣装の制服を着ることもできず、学外では民族の言葉をしゃべらない様に我慢する生活を強いられてきた。

4年前の2016年に施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」は、日本ではじめての反人種差別法といえるが、禁止規定すらなく、ヘイトクライムの歯止めにはなっていない。

最後に、川崎市は「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、市長が今回の犯罪を差別に基づくもので許されないとして非難し、市が威力業務妨害罪で告訴し、ふれあい館の警備を強化するなどの対策をとってきたことは評価できる。ただ、被疑者は元川崎市の職員と報道されており、今後の防止のためにも、市が実際に差別を根絶する担い手となっていくためにも、自らをただす取組が望まれる。

以上より、

  1. 国は、今回のヘイトクライムについて、自らの国連に対する長年の説明の通りに、人種差別撤廃条約上の義務に合致するよう、裁判において差別性を明白にし、ヘイトクライムとして処罰するよう取り組むべきである。
  2. 国は、ヘイトクライムをなくすため、速やかに政府内にヘイトクライム対策担当部署を設置し、マイノリティ当事者や人種差別撤廃問題の専門家と協力しながら、調査研究、警察官・検察官などへの研修、さらに期限を区切って具体的な目標と措置を含む制度設計をすべきである。
  3. 国は、ヘイトスピーチ・ヘイトクライム根絶のために、人種差別を禁止し、特に悪質なヘイトスピーチ及びヘイトクライムを処罰し、人種差別撤廃教育を行い、警察官・検察官・裁判官をはじめとする全公務員に対する人種差別撤廃研修を制度化するなど、人種差別を根絶するための包括的な政策と法整備を行うべきである。
  4. 川崎市は、今回の事件を解明し、再発防止のため、定期的な全職員の人種差別撤廃のための研修、首長・市議も含めた人種差別を禁止する倫理規定整備、職員間のレイシャルハラスメントの禁止規定の整備などの具体的な対策をとるべきである。このような対策は川崎市以外のすべての地方公共団体において求められる。

 


文中で言及されている声明と署名の詳細は下記のリンクからご覧いただけます。

声明文
「卑劣な『在日コリアン虐殺宣言』年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明」(1月20日付)
「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」(1月29日付)

署名に関する詳細情報
「川崎市脅迫葉書に関する署名提出のご報告と、今後の署名活動」
「川崎市脅迫葉書に対する声明への追加署名を提出しました」
「脅迫葉書に対する2つの声明文に対する賛同団体一覧」


ふれあい館のHPにて、被疑者逮捕を受けてのコメント(12日付)が発表されています。

「ふれあい館に対する、差別脅迫年賀状・爆破予告被疑者逮捕について」


川崎市のHPより、元川崎市職員の再逮捕を受けて市長のコメント(12日付)が掲載されています。

「ふれあい館への脅迫はがき送付事件等の元川崎市職員再逮捕に関する川崎市長コメント」


別途詳細につきましては、各メディアによる報道をご確認ください。

2020年6月12日
共同通信「交流施設に脅迫はがき送付疑い 元川崎市職員を再逮捕」
NHK 首都圏NEWSWEB「元川崎市職員在日コリアン脅迫か」
NHK「在日コリアン脅迫するようなはがき送ったか 川崎市元職員逮捕」
朝日新聞デジタル「元川崎市職員がヘイトはがき 威力業務妨害容疑で逮捕」
神奈川新聞 カナロコ「川崎市ふれあい館に脅迫文 容疑で市の元職員を再逮捕」
産経新聞 THE SANKEI NEWS「国際交流施設に脅迫はがき送付疑い 元川崎市職員を再逮捕」
Ch.OPEN YOKOHAMA「川崎市の交流施設に脅迫文か 男を再逮捕」

2020年6月13日
東京新聞 TOKYO Web「『母親たち 心配強かった』元市職員、脅迫容疑で再逮捕 ふれあい館、はがき送付を批判」
神奈川新聞 カナロコ「ふれあい館への威力業務妨害容疑 元川崎市職員再逮捕」

2020年6月16日
神奈川新聞 カナロコ「『韓国に帰ればいい』 爆破予告の男、同僚男性に差別発言」
Ch.OPEN YOKOHAMA「脅迫はがきで元市職員逮捕 川崎市長『条例の周知徹底を』」

2020年6月17日
神奈川新聞 カナロコ「『あってはならない』 元川崎市職員差別発言を市長が非難」

外国人人権法連絡会2018総会記念シンポジウム「人種差別撤廃基本法を 日本で実現させるために』

「人種差別撤廃法」と「外国人・民族的マイノリティの人権基本法」「国内人権機関」の実現をめざして、弁護士・NGO・研究者が中心となり、2005年12月、外国人人権法連絡会が結成されました。

2016年6月に、日本で初の反人種差別法として、ヘイトスピーチ解消法(正式名称:本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)が施行され、政府の取組みが根拠法をもって行なわれるようになりました。一部の地方自治体でも、条例づくりの作業が進められています。
しかしながら、ヘイトデモ・街宣活動は今も全国各地で行なわれており、今年2月には在日本朝鮮人総聯合会中央本部の建物が銃撃されるという事件まで起きてしまいました。人種差別根絶のための包括的な取組みが喫緊の課題であることは今も変わりなく、そのための根幹の一つとして、人種差別撤廃基本法の制定が強く求められています。
今年8月には、人種差別撤廃委員会による日本審査が行なわれます。国連人権条約機関の場において、日本における人種差別の実態が再び浮き彫りにされることになるでしょう。

私たちは、日本で人種差別撤廃基本法を実現させるために、これまで様々な取組みを行なってきましたが、今年の総会記念シンポジウムとして、諸外国における人権保障、ヘイトスピーチ規制についてじっくり学び、議論する場を設けることにしました。多くの方のご参加をお待ちしています。

 

◆日時◆
2018年4月14日 (土) 14:00~16:00(開場 13:30)

◆場所◆
在日本韓国YMCA 9階 2.8記念国際ホール
〔地図〕東京都千代田区猿楽町2-5-5
(JR・水道橋駅東口徒歩6分、地下鉄・神保町駅徒歩7分)

◆資料代◆ 1,000円(学生500円)
(新刊『日本における外国人・民族的マイノリティ
人権白書2018』〈外国人人権法連絡会編〉1冊を含む)

◆主催◆
外国人人権法連絡会 https://gjinkenh.wordpress.com

 

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プログラム
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●講演
「諸外国における外国人の人権保障とヘイトスピーチ規制」
近藤 敦さん(名城大学教授)
●全体討論
 登壇者:近藤 敦さん、丹羽雅雄さん(弁護士、外国人人権法連絡会共同代表)、師岡康子さん(弁護士、外国人人権法連絡会運営委員)
●アピール

 

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【お問合せ先】
◆在日韓国人問題研究所(RAIK)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18
日本キリスト教会館52号室
TEL 03-3203-7575  FAX 03-3202-4977  raik@kccj.jp
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