カテゴリー: 調査活動

人種差別撤廃NGOネットワークなど8団体が、人権法制度の整備に関する政党アンケートを実施

 7月21日投票日の参議院選挙に際して、人種差別撤廃NGOネットワーク、外国人人権法連絡会など8つの人権NGOが、

  1. 包括的な差別禁止法の制定
  2. 独立した国内人権機関の設置
  3. 個人通報制度の導入

の3点について、7つの政党に向けたアンケートを実施しました。
 各政党から届いた回答を順次、下記の反差別国際運動(IMADR)のサイトに掲載しています。

「日本国内の人種差別実態に関する調査報告書」2018年版

研究者、弁護士、市民団体メンバーの有志による「人種差別実態調査研究会」が、「日本国内の人種差別実態に関する調査報告書 2018年版」を公刊しました。

ご覧になりたい方は、以下のリンクをクリックしてください。


*人種差別実態調査研究会は、2016年4月に1回目の「調査報告書」を公刊しています。

ヘイト・スピーチ対策に関する政党アンケート-2:回答結果

11月19日付で9つの政党に「ヘイト・スピーチ対策に関する政党アンケート」に送付したところ、11月28日時点で7つの政党から回答を頂きました。その結果を以下に公表します。
協力してくれた各政党に感謝の意を表します。


『ヘイト・スピーチに関する政党アンケート』 回答結果 (2014年11月28日現在)

作成:外国人人権法連絡会

政党名〈質問1〉 ヘイト・スピーチ対策の必要性〈質問2〉 人種差別撤廃基本法等の制定
自由民主党必要検討中
公明党必要「賛成」「反対」のいずれでもない
民主党必要賛成
維新の党必要未確定
次世代の党未確定未確定
日本共産党必要賛成
社会民主党必要賛成
生活の党(無回答)
新党改革(無回答)

【アンケート項目】 (要約) ※送付した質問文は、コチラ
1.  国が具体的なヘイト・スピーチ対策を策定する必要性について、 □ ある   □ ない
≪理由≫

2.  人種差別撤廃基本法等の制定について、 □ 賛成  □ 反対
≪理由≫

3. その他、関連する党の見解、実施した活動、選挙公約について


【各政党の回答】

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▼自由民主党

  1. ある
    ≪理由≫ヘイト・スピーチの対策は必要と考える。
  2. 党として検討中
    ≪理由≫ヘイト・スピーチ同様に表現の自由の問題があるため人種差別撤廃法の制定は非常に困難と認識しているが、幅広い見地から検討を重ねていく。
  3. 本年9月ヘイト・スピーチ対策等に関する検討PTを設置した。先述同様、ヘイト・スピーチの対策は必要と考えるが、表現の自由の観点から法規制については非常に難しいと認識しており、幅広い見地から検討を重ねていく。

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▼公明党

  1. ある
    ≪理由≫近年、ヘイト・スピーチが大きな社会問題になっており、国際社会からも厳しい指摘がなされています。諸外国の規制例や論点、また、有識者をはじめとする国民の皆様のご意見を踏まえつつ、具体的な規制のあり方について検討を進めたいと考えます。
  2. 現段階では「賛成」、「反対」のいずれでもない
    ≪理由≫人権を重視する立場から、人種差別撤廃基本法を求める議員連盟に公明党の参議院議員も所属しており、議論を深めているところです。その上で、基本法制定の必要性や、制定する場合にはどのような内容とすべきかなど、引き続き、党内における検討を継続していきたいと考えております。
  3. ヘイト・スピーチについて、様々な観点から検討を進めたいと考え、本年9月10日に公明党としてヘイト・スピーチ問題対策プロジェクトチームを設置し有識者との意見交換を重ねてきたところです。今後、プロジェクトチームとして考え方を取りまとめ、提案したいと考えております。

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▼民主党

  1. ある
    ≪理由≫人種・民族・皮膚の色など共通の属性の違いを理由として、他者(不特定多数を含む)に対して煽動的・攻撃的に差別表現・行動をとる者が、出現・増加している。この状況に対し、国連人種差別撤廃委員会から、日本政府としての取り組みが十分に行われていないという指摘がなされ、差別禁止法制定も含む勧告が2014年を入れて3度も行われている。国際世論もさることながら、国民政党として、日本国内のこの状況を放置することは許されないとの認識のもと、ヘイト・スピーチ対策に取り組まねばならないと考えている。
  2. 賛成
    ≪理由≫民主党は、超党派議連で行われている議論に賛同し、他党とともに、法制定を推進すべく、政党政策責任者会議等の席でも率先して働きかけを行ってきた。人種等を理由とした差別行為・言動が行われることを放置することは、決して許されるべきではなく、また、1995年に加入した人種差別撤廃条約を速やかに実施するためにも、人種差別撤廃基本法のような法律の制定が必要であると考えている。
  3. <臨時国会中>民主党として、超党派議連で取りまとめを行ってきた法案骨格を確認するとともに、できる限り多くの政党と連携して法案を提出・成立させるための働きかけを行ってきた。表現の自由を保障しつつ、差別的言動・行為を禁止してゆく第一歩となる法律の制定を考えている。
    <選挙にあたって>民主党の考え方を表す柱の一つとして、ヘイト・スピーチ対策を行うことを、マニフェストを含む民主党の政策に位置づけ、訴えていく。

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▼維新の党

  1. ある
    ≪理由≫表現の自由は保障されるべきであるが、極端に差別的、暴力的な表現については、差別
    される人の人権を保障するため、一定の制限はやむを得ない。
  2. 党としての立場は未定
  3. 民主党・維新の党共同で、「共に実現を目指す共通の政策」を発表した。その5項目中の1項目が「ヘイト・スピーチ規制法の制定」である。

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▼次世代の党

  • 8月に出来たばかりの政党であり、本件について結論が出ていません。

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▼日本共産党

  1. ある
    ≪理由≫各地でおこなわれているヘイト・スピーチを許さない世論と環境をつくり、人々の権利と尊厳を守っていくことは、政治の責任です。いくつかの自治体では、ヘイト・スピーチにかかわる団体に会場使用を認めない措置をとっている例もあります。国としても、ヘイト・スピーチ対策のために現行法のもとでどのような対策を講じられるかを、省庁を挙げて検討すべきです。そのためにも、日本政府としてヘイト・スピーチを許さない毅然とした姿勢を示し、ヘイト・スピーチにかかわる団体は、健全な市民社会や民主政治と相いれない勢力であることを明確にしなければなりません。
  2. 賛成
    ≪理由≫人権と民主主義についての国際到達点からみて、ヘイト・スピーチを根絶する取り組みの一環としても、人種差別撤廃基本法の制定は必要と考えます。
    • 「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」に参加しています。国立市議会、名古屋市議会、奈良県議会で、ヘイト・スピーチ対策を求める意見書について提案、賛成しました(それぞれ採択)。
    • 2013年、14年におこなわれた「仲良くしようぜパレードin大阪」、「差別撤廃東京大行進」に党の国会議員や地方議員、役員らが参加しました。
    • 東京の新宿区では2013年3月の区議会で党議員が新大久保でのヘイトスピーチ・デモについて区長の見解をただす質問をおこないました。その後も区議団が区側に対し、区内でヘイトスピーチ・デモをさせないよう働きかけてきました。
    • 2014年11月の新宿区の区長選挙では、「ヘイト・スピーチに毅然と対応する」との公約をかかげた弁護士の岸まつえ候補を推薦し、日本会議に所属する元自民党都議との一騎打ちをたたかいました。岸候補は、当選には至らなかったものの、4割近くを得ました。選挙の論戦を通じて、相手候補に「ヘイト・スピーチ反対」、前区政の平和施策の「継続」を言明させました。
    • ※2014年総選挙政策においても「各分野政策」でヘイト・スピーチに関して取り上げています。近く日本共産党ホームページ上にアップしますので、あわせてご覧下さい。

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▼社会民主党

  1. ある
    ≪理由≫社民党は差別や敵意をあおるヘイト・スピーチについて、その定義を明確化した上で根絶に向けた取り組みを訴えてきました。現行法においても対応は十分可能だと考えますが、新たな法整備を行うのであれば、表現の自由に留意しつつ進めるべきです。
  2. 賛成
    ≪理由≫包括的な人種差別禁止の法整備は社民党の長年の主張です。政府から独立した実効性のある人権救済機関を設けるための「人権侵害救済法」などとともに、制定に全力をあげます。
  3. 選挙公約には「差別や敵意を煽るヘイト・スピーチを規制する人種差別禁止法を制定します」「政府から独立した実効性のある人権救済機関を設けるため人権侵害救済法を制定します」と明記しているほか、「男女平等の社会づくり」や「共生・人権の花開くまちを」など、人権政策を列挙した「政策集」を作成しています。

  • 生活の党、新党改革からは回答が届いていません(2014年11月28日時点)
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【この件に関するメディア取材 お問い合わせ先】
移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
TEL:03-3837‐2316
FAX:03-3837‐2317
e-mail:smj-office(a)migrants.jp

ヘイト・スピーチ対策に関する政党アンケート

*以下のアンケート要請文を各政党に送付しました。回答が集まり次第、このホームページで公表します。


今年8月、国連人種差別撤廃委員会から、ヘイト・スピーチに対して断固として取り組むよう、また、ヘイト・スピーチを含む人種差別全体についての実態調査を行い、包括的な人種差別禁止特別法を制定するよう、2001年、2010年に引き続き、3度目の勧告が出されました。

私たちは、勧告を真摯に受け止め、人種差別撤廃条約を着実・誠実に実施するため、まず理念法である人種差別撤廃基本法を直ちに制定することが適切だと考えています。具体的には、障害者差別解消法策定を準備する役割を担った障害者基本法をモデルとし、下記の内容を想定しています。

○人種差別を禁止する原則規定を置く。

○国・地方公共団体が総合的な人種差別撤廃政策を策定し、実施する責務を有する。

○国は差別撤廃基本計画を策定し、毎年の実施状況を国会に報告する。

○内閣府に、障害者基本法で設置されている障害者政策委員会と類似の人種差別撤廃政策審議会を設置し、ヘイト・スピーチを含む人種差別の全国的な実態調査を行い、人種差別撤廃政策についての提言を行う。

去る11月18日、安倍晋三首相は21日に衆議院を解散し、総選挙を行なうことを表明しました。そこで私たちは、総選挙にあたっての各党のヘイト・スピーチ政策を明らかにしたいと考えました。

そこで、下記の2点についてのご意見をうかがいます。ご多忙のなか恐縮ですが、誠意ある回答をお願い致します。

◆恐れ入りますが、11月26日(水)までに、下記へお送りください。

回答はホームページ等で公表いたします。

2014年11月19日 外国人人権法連絡会


1.  国が、具体的なヘイト・スピーチ対策を策定する必要性について

□ ある    □ ない

≪理由≫

2.  人種差別撤廃基本法等の制定について

□ 賛成    □ 反対

≪理由≫

その他に、人種差別撤廃基本法の制定、ヘイト・スピーチ対策に関連して党の見解、実施した活動、選挙公約などがありましたら、ご記入ください。