カテゴリー: 声明・要望書

脅迫葉書に対する2つの声明文に対する賛同団体一覧

「卑劣な『在日コリアン虐殺宣言』年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明」(1月20日付)、「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」(1月29日付)に対して賛同を頂いている団体名を、以下に掲載します。

161団体<2020年3月10日(火)15時現在>

反差別国際運動(IMADR) / 日本キリスト教会靖国神社問題特別委員会 / アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク / 神奈川県をよくしたい都筑区民の会 / コリアNGOセンター / 秘密保護法を考える川崎市民の会 / まったくの会 / 部落解放同盟国立支部 / 在日コリアン弁護士協会(LAZAK) / 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会 / 清掃・人権交流会 / 町田「慰安婦」問題を考える会 / 狛江平和委員会 / ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会 / NO HATE!武蔵野 /  のりこえねっと / 一般社団法人部落解放・人権研究所 / 子どもと教科書 市民・保護者の会 / 北海道朝鮮学校を支える会 / ヒューライツ大阪 /  ヘイトスピーチ許さない・練馬 / NPO法人練馬人権センター / 全ての学校に高校授業料無償化を!練馬の会 / すべての人に尊厳と人権を!ヘイトクライムをなくそう!神戸連絡会 / 排外主義にNO!福岡 / 人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット) / ハムケ・共に / ATTAC Japan(首都圏) / 「バスストップから基地ストップ」の会 / 「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会 / 学校事務職員労働組合神奈川 / 神奈川県労働組合共闘会議 / 反差別相模原市民ネットワーク / 「慰安婦」問題を考える市民の会・相模原 / 市民ネットワーク北海道 / イエズス会社会司牧センター / 多文化共生・自治体政策研究会 / 全国在日外国人教育研究協議会 / 差別・排外主義に反対する連絡会 / 部落解放同盟東京都連合会 / 移住者と連帯するNGOネットワーク / NPO法人共生フォーラムひろしま / 在日大韓基督教会 / 在日韓国人問題研究所(RAIK) / 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協) /  外国人住民基本法の制定を求める関東キリスト者連絡会(関東外キ連) / 外国人住民基本法の制定を求める神奈川キリスト者連絡会(神奈川外キ連) / 外国人との共生をめざす関西キリスト教代表者会議(関西代表者会議) / 外国人との共生をめざす関西キリスト教連絡協議会(関西外キ連) / 外国人住民との共生を実現する広島キリスト者連絡協議会(広島外キ連) / 全国キリスト教学校人権教育研究協議会 / 日本キリスト教協議会(NCCJ) / 日本キリスト教協議会在日外国人の人権委員会 / マイノリティ宣教センター / 日本福音ルーテル教会社会委員会 / 日本キリスト教会人権委員会 / 日本自由メソヂスト教団 /  公益財団法人日本YWCA / 一般財団法人広島YWCA / 日本聖公会日韓協働委員会 / 日本聖公会正義と平和委員会 / 日本聖公会人権問題担当者 / 日本カトリック難民移住移動者委員会 / 在日大韓基督教会社会委員会 / 在日大韓基督教会関西地方会社会部 / 横浜長老教会靖国神社問題委員会 / 在日韓国基督教会館(KCC) / 日本基督教団東京教区部落解放5支区代表者会 / 日本キリスト教会北海道中会ヤスクニ・社会問題委員会 / 防府バプテスト教会 / 日本基督教団北海教区 平和部門委員会 / 東京給水クルー(TQC) / 部落解放同盟練馬支部 / ヒューマンライツ・ナウ / 世界人権宣言大阪連絡会議 / 一般財団法人大阪府人権協会 / ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク /  「慰安婦」問題を考える会・神戸 / 朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会 / 外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉 / 朝鮮学校生徒を守るリボンの会 / 子どもの人権埼玉ネット / 国内人権機関と選択議定書の実現を求める共同行動 / 株式会社銀座No!Hate小店 / 朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会 / 外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉 / 朝鮮学校生徒を守るリボンの会 / 子どもの人権埼玉ネット / 神奈川県平和委員会 / 相模原市平和委員会 / かながわみんとうれん /  日本民主青年同盟神奈川県委員会 / 朝鮮半島と連帯し子どもの教育を考える会 / よこはまシティユニオン / 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会 / 「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会 / C.R.A.C. / C.R.A.C.KAWASAKI / C.R.A.C.SAGAMIHARA / C.R.A.C.NORTH / CRAC758 / 日朝友好女性ネットワーク / 東京朝鮮人強制連行真相調査団 / 安倍政権にNO!東京・地域ネットワーク / #FREEUSHIKU / 神奈川ネットワーク運動 / 個人情報保護条例を活かす会(神奈川) / 在日本朝鮮人人権協会 / 安倍政権にNO!東京・地域ネットワーク / 川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会 / 神奈川ネットワーク運動 / 守口から平和と民主主義を考える会・もりナビ / イアンフ・アクション・オオサカ / 神戸国際キリスト教会 / エラスムス平和研究所 / 全ての人に尊厳と人権を!ヘイトクライムをなくそう!神戸連絡会 / コリア・プロジェクト@富山 / ふぇみん婦人民主クラブ / 神奈川ネットワーク運動 磯子市民ネット / 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会 / ふぇみ・ゼミ / 神奈川ネットワーク運動 宮前 / 一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪) / 「生きる権利を市民の手で!」の会 / 清掃・人権交流会 / 朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知 / 日本基督教団神奈川教区寿地区センター / 神奈川ネットワーク運動・青葉 / 神奈川ネットワーク運動・磯子市民ネット / 神奈川ネットワーク運動・あさお / 神奈川ネットワーク運動・高津Weネット / 幸市民ネット / 神奈川ネットワーク運動・鎌倉 / 神奈川ネットワーク運動・大和市民会議 / 厚木市民自治をめざす会 / 神奈川ネットワーク運動・座間市民ネット / 神奈川ネットワーク運動・平塚 / 神奈川ネットワーク運動・横須賀 / 神奈川ネットワーク運動・藤沢 / 神奈川ネットワーク運動・伊勢原 / 釜ヶ崎日雇労働組合 / 「慰安婦」問題を考える会·神戸 / アジェンダ・プロジェクト / 神奈川の外国人教育を考える会 / 戦争協力にNO!葛飾ネットワーク / 日本聖公会東京教区人権委員会 / かつしか人権ネット / ノレの会 / カラバオの会 / 狛江市人権条例を考える連絡会 / いいね狛江 / 狛江地域と財政を知る会 / 公民館・図書館再生市民プロジェクト / 小さな地域を考える会 / 平井里美と歩む会 / ポラムの会 / 朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知 / 海老名解放教育研究協議会 / 海老名教育懇談会実行委員会 / かながわ平和憲法を守る会 / 日本とコリアを結ぶ会・下関

川崎市脅迫葉書に関する署名提出のご報告と、今後の署名活動

※2020年3月21日追記:政府に署名提出をした2月6日以降も、多くの方から声明への署名、賛同を頂きました。この場を借りて感謝申し上げます。その追加分(約8000通)を、3月11日に法務省人権擁護局に提出しました。1月に届いた2通の脅迫葉書に対する声明への賛同集めは終了します。ただ、加害者はまだ捕まっておらず、政府は何のコメントも出していません。それどころか、2月以降も市内小中高校への脅迫葉書が送られ、3月には川崎市「ふれあい館」に模造刀・木刀が置かれるという事件が起きています。私たちは連絡会は引き続き、川崎市で相次ぐヘイトクライムを止めるための活動に取り組んでいきます。

在日コリアンへの脅迫文書に対する2つの声明「卑劣な『在日コリアン虐殺宣言』年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明」(1月20日付)・「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」(1月29日付)への署名、団体賛同と拡散にご協力いただき、ありがとうございました。

2月6日、「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」(会長 :白眞勲参議院議員)所属の12人の国会議員同席のもと、政府に署名合計40,889通及び155の賛同団体リスト(いずれも2月5日20時時点)を提出し、直ちに政府として非難声明を出すなど緊急に対策をとるよう要請しました。

複数のメディアでも記事になりました。
https://video.mainichi.jp/detail/videos/%E6%96%B0%E7%9D%80/video/6130057257001?autoStart=true
https://www.kanaloco.jp/article/entry-264386.html
https://this.kiji.is/598110760883766369?c=39546741839462401
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/kawasaki-hate10?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter

最初の脅迫年賀状からすでに1カ月が経過しました。爆破予告まで受けた川崎市ふれあい館利用者、職員、近隣住民は恐怖、緊張の下での生活を強いられており、このまま国と社会が放置することは到底許されません。

1月23日、福田紀彦川崎市長が脅迫年賀状を差別に基づく犯罪と強く非難し、同月29日にはふれあい館に警備員を配置し、2月7日には、川崎臨港警察署に対し被害届を出したことが報じられました。川崎市は、第一の声明で求めた要請にほぼ応えてくれました。

しかし、国は現時点までコメント一つ出しておらず、ヘイトクライムを容認しているに等しい状態で、何らの歯止めになっていません。

以上より、第一の声明に対する署名の呼びかけは終了します。他方、政府が具体的な対策をとるよう、第二の署名「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」(1月29日付)への署名呼びかけは継続しますので、今後ともご協力お願いします。

1月29日付声明文(全文)はコチラ
*第2次締切 2020年2月29日(土)

署名方法は、2つあります。

  1. Change.orgのキャンペーンで賛同する
    http://chng.it/g6ktNFpCL4
  2. 署名用紙に記入し、FAX、メール、または郵送で送る
    署名用紙(PDF)のダウンロード
    ・署名集約先:外国人人権法連絡会
    〒169-0072 東京都新宿区大久保1-12-1 8階
    FAX 03-3200-8556
    e-mail   action@gjhr.net (※メールの件名または本文に「1月29日声明への個人賛同」と明記してください。)

提出した個人署名・団体賛同

2月6日に政府に提出した署名(賛同)数40,889通の内訳は、以下の通りです。

  1. 卑劣な「在日コリアン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明(2020年1月20日発表)署名数  25,454
    • Change.orgキャンペーン 24,342
    • 署名用紙(直筆、FAX) 1,091
    • メール、ホームページを通じた署名 21
  2. 在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明(2020年1月29日発表)署名数  15,435
    • Change.orgキャンペーン 15,372
    • 署名用紙(直筆、FAX) 52
    • メール、ホームページを通じた署名 11
  3. 団体賛同  154団体 →賛同団体一覧はコチラ ※署名提出後に賛同いただいた団体も掲載しています。

※上記3つはいずれも、2月5日(水)20時時点で集まっていたもの


 

川崎市脅迫葉書抗議署名の最終締め切り日時について

多発するヘイトクライムへの抗議署名に対し、みなさまから数多くの賛同を頂いております。
ありがとうございます。
当署名は、2月6日(木)に「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」と共に法務省へ提出をする予定となりました。
また、この日にはヘイトクライムへの緊急対策を求める記者会見も行います。
それに合わせて(ネットも含む)署名の最終締め切りを、明日の17時までとさせて頂きたいと思います。
国を動かすためにも、少しでも多くの声が必要です。
残りわずかな時間ですが、引き続きご協力ください。
よろしくお願い致します。

署名の最終締め切り日:2月5日(水) 17時まで

川崎市への脅迫葉書に対する2つの緊急声明への署名・賛同のお願い

川崎市における在日コリアンへの脅迫葉書に対して、1月20日と1月29日に2回、緊急声明文を発表しました。それぞれの声明について、別で緊急署名・団体賛同を集めています。

ぜひ2つの声明に、それぞれ賛同してください。

※1月20日付に発表した『卑劣な「在日コリアン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明』とは別で賛同を集めています。最初の1月20日付声明に賛同くださった方も、この2つ目の1月29日付声明に、以下の方法を通じてご賛同ください。


<2020年1月29日 発表>在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明

声明文全文はコチラ

▼個人賛同
賛同方法は、2つあります。

  1. Change.orgのキャンペーンで賛同する
    http://chng.it/g6ktNFpCL4
  2. 署名用紙に記入し、FAX、メール、または郵送で送る
    署名用紙(PDF)のダウンロード

    ・署名集約先:外国人人権法連絡会
    〒169-0072 東京都新宿区大久保1-12-1 8階
    FAX 03-3200-8556
    e-mail   action@gjhr.net (※メールの件名または本文に「1月29日声明への個人賛同」と明記してください。)

▼団体賛同
個人の署名集めと別に、本声明に対する、団体賛同もお願いしています。こちらも第一次集約は2月4日(火曜日)です。賛同は下のメールアドレスに、団体名、連絡先をお送りください。
・団体賛同の連絡先:e-mail action@gjhr.net (※メールの件名または本文に「1月29日声明への団体賛同」と明記してください。)

 


<2020年1月20日 発表>卑劣な「在日コリアン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明

声明文全文はコチラ

▼個人賛同
賛同方法は、2つあります。

  1. Change.orgのキャンペーンで賛同する
    http://chng.it/XJJ6cx5NgG
  2. 署名用紙に記入し、FAX、メール、または郵送で送る
    署名用紙(PDF)のダウンロード
    ・署名集約先:外国人人権法連絡会
    〒169-0072 東京都新宿区大久保1-12-1 8階
    FAX 03-3200-8556
    e-mail   action@gjhr.net (※メールの件名または本文に「1月20日声明への個人賛同」と明記してください。)

▼団体賛同
個人の署名集めと別に、本声明に対する、団体賛同もお願いしています。こちらも第一次集約は2月4日(火曜日)です。賛同は下のメールアドレスに、団体名、連絡先をお送りください。
・団体賛同の連絡先:e-mail action@gjhr.net (※メールの件名または本文に「1月20日声明への団体賛同」と明記してください。)

在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明

川崎市ふれあい館に届いた「在日コリアン虐殺宣言」の年賀状に続いて、1月27日にも川崎市に在日コリアンに対する危害を加えるとの犯罪予告の葉書が届きました。相次ぐ卑劣なヘイトクライムに対して、政府に緊急対策を求める声明を、1月29日、外国人人権法連絡会で発表しました。拡散をお願いします。
この声明への賛同・署名も開始しました。以下のChange.orgでのキャンペーンに賛同してください。他の方法による賛同・署名の案内も随時このホームページやSNSにアップします。
ヘイトクライムを決して許しません!

・Change.orgのキャンペーン「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告に対して、政府に緊急対策を求めます」
http://chng.it/g6ktNFpCL4

※1月20日に発表した「卑劣な「在日コリアン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明」も、ぜひお読みになり、ご賛同ください。


在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、
政府に緊急対策を求める声明

内閣総理大臣 安倍晋三 様
法務大臣  森まさこ 様

2020年1月29日
外国人人権法連絡会 共同代表
田中宏、丹羽雅雄

今年1月6日、川崎市の多文化交流施設「川崎市ふれあい館」に、「謹賀新年 在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら残酷に殺して行こう」と書かれた年賀状が届いたことが、明らかになりました。

同館は川崎市が1988年に日本人と在日コリアンなど外国籍市民が交流し共に生きる地域社会を築くために設置したもので、多くの地域住民、さまざまな国籍の市民が利用し、外国籍の職員も少なくありません。同館は、これまでも日朝・日韓関係のねじれなどがあるたびに、「朝鮮へ帰れ」との差別的な脅迫電話がかかるなど、卑劣なヘイトスピーチ、ヘイトクライムの標的とされてきました。この葉書の後、子どもたちを中心に利用者数が前年比で約4分の1減少するなど実害が生じていることも報道されました。

私たちは20日、国と川崎市に対し虐殺予告を非難することなどを求める声明を発表すると共に、ネット署名等を呼びかけ、短期間に多くの賛同が寄せられました。23日、福田紀彦川崎市長は「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の趣旨に反する差別に基づく脅迫と強く非難し、市が警察に被害届を出し、同館に警備員を配置することも発表しました。

ところが本日、川崎市に27日、同館の爆破、在日コリアンへの危害を加える旨の犯罪を予告する葉書が届いたことが明らかになりました。

脅迫年賀状より具体的な犯罪予告であり、在日コリアン市民をさらに恐怖と孤立感、絶望の淵に叩き落とし、地域の分断、差別と暴力を煽動する極めて卑劣なヘイトスピーチ・ヘイトクライムであり、絶対に許してはなりません。相次ぐヘイトクライム予告を私たちが放置すれば、それが許される雰囲気が醸成され、さらなる脅迫のみならず、物理的な暴力犯罪へ進む危険性があります。今回の予告文書は在日コリアンへの攻撃であるとともに、捜査当局及び川崎市、そして差別を許さないすべての人々への挑戦状です。

政府はこれまで脅迫年賀状に一切コメントしていませんが、本来、人種差別撤廃条約(1条・2条・4条)及び「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた施策の推進に関する法律(ヘイトスピーチ解消法)」(2条・4条・7条)に基づき、国が先頭に立って、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムを根絶するべきです。2018年に国連人種差別撤廃委員会からも対策を求める具体的な勧告が出されています。

以上より、私たちは在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を強く非難するとともに、政府に対し、下記を要望します。

  1. 政府は直ちに、相次ぐ卑劣な犯罪予告宣言を強く非難する声明を出すこと。
  2. 速やかにヘイトクライム対策本部を設置し、今回の相次ぐ犯罪に対する捜査と犯罪の防止策をとること。
  3. ヘイトスピーチ・ヘイトクライム根絶に向けて、具体的な目標と措置を含む方針・計画を制定し、調査研究、警察官・検察官などへの研修などを行うこと。
  4. ヘイトスピーチ・ヘイトクライムをはじめとする人種差別を根絶するため、ヘイトスピーチ解消法の実効化とともに、総合的な人種差別撤廃政策推進のための基本法を制定すること。

声明文ダウンロード(PDF、65kB)


人種差別撤廃委員会 日本の第 10・第 11 回合同定期報告書に関する総括所見
( 翻訳:人種差別撤廃 NGO ネットワーク)  (抄)

ヘイトスピーチとヘイトクライム
13.委員会は、2016 年 6 月の本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(「ヘイトスピーチ解消法」)の採択を含む、締約国がとったヘイトスピーチに対処する措置を歓迎する。しかしながら、委員会は以下について依然として懸念する。

(a) 法律の適用範囲はあまりにも狭く、“日本に適法に居住する”人びとに向けたヘイトスピーチに限定されており、締約国の民族的マイノリティには非常に限定された救済措置しか提供できていないこと、
(b) 法律通過の後でさえ、締約国において、特にデモ参加者が在日コリアンなどの民族的マイノリティ集団に対する暴力的なヘイトスピーチを使う集会などにおいて、ヘイトスピーチと暴力の扇動は続いていること、
(c) インターネットとメディアを通じたヘイトスピーチ、ならびに公人によるヘイトスピーチと差別的発言の使用が続いていること、ならびに
(d)そのようなヘイトクライムは常には捜査・訴追されず、公人および私人は人種主義的ヘイトスピーチとヘイトクライムへの責任を負わないままであること(第4条)。

14.委員会は、前回の勧告(CERD/C/JPN/CO/7-9、para. 11)を再度表明し、その一般的勧告 35(2013年) を想起し、締約国に以下を勧告する。

(a)ヘイトスピーチ解消法を、適切な保護範囲をもつものとし、あらゆる人に対するヘイトスピーチを対象に含め、民族的マイノリティに属する人に十分な救済を提供することを確保するよう改正すること、
(b) 法的枠組みと被害者の救済へのアクセスを強化するために、ヘイトスピーチ解消法で対象とされていないヘイトクライムを含む人種差別の禁止に関する包括的な法律を採択すること、
(c) 表現と集会の自由に十分に考慮しつつ、集会中に行われるヘイトスピーチおよび暴力の扇動の使用を禁止すること、ならびに加害者に制裁を科すことを確保すること、
(d) 自主規制的な機構の設置を含む、インターネット上およびメディアにおけるヘイトスピーチと闘うための効果的措置をとること、
(e) 次回の定期報告書において、メディアにおいて広がっている人種差別および人種主義的暴力への扇動の防止に関する放送法などの措置の実施および効果について、詳細な情報を提供すること、
(f) 警察官、検察官および裁判官を含む法執行官に対して、とりわけ、かかる犯罪の背景にある人種的動機を特定し、苦情を登録し、ならびに事件を捜査および訴追するための適切な方法を含む、ヘイトクライムとヘイトスピーチ解消法に関する研修プログラムを実施すること、
(g) 政治家およびメディア関係者を含む、私人あるいは公人によるヘイトクライム、人種主義的ヘイトスピーチおよび憎悪の扇動を調査し、適切な制裁を科すこと、
(h) 被害者の民族的出身および民族別に細分化した捜査、訴追および有罪判決に関する統計を次回の定期報告書で提供すること、
(i) 具体的目標と措置および適切なモニター活動を備えた、ヘイトクライム、ヘイトスピーチおよび暴力の扇動を撤廃する行動計画を制定すること、
(j) 特にジャーナリストおよび公人の役割と責任に焦点を絞りながら、偏見の根本的原因に取り組み、寛容と多様性の尊重を促進する啓発キャンペーンを実施すること。

『「在日コリアン虐殺宣言」年賀状への緊急対策を求める声明』への緊急署名・賛同のお願い

外国人人権法連絡会が1月20日付で発表した、「卑劣な「在日コリア
ン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明」https://gjhr.net/2020/01/20/43/
について、緊急署名・賛同を集めています。

*2020.1.29追記:2つ目の脅迫葉書に対して新たに、「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」を発表しました。こちらも賛同を集めています。


▼個人賛同
賛同方法は、2つあります。

  1. Change.orgのキャンペーンで賛同する
    http://chng.it/XJJ6cx5NgG
  2. 署名用紙に記入し、FAX、メール、または郵送で送る
    署名用紙(PDF)のダウンロード
    ・署名集約先:外国人人権法連絡会
    〒169-0072 東京都新宿区大久保1-12-1 8階
    FAX 03-3200-8556
    e-mail   action@gjhr.net

在日コリアンをはじめとする利用者、住民、職員の方々の恐怖は続いており、決してヘイトクライムを許さず、川崎市などに対応を求める緊急の必要があります。ぜひご賛同ください。


▼団体賛同
個人の署名集めと別に、本声明に対する、団体賛同もお願いしています。こちらも第一次集約は1月27日月曜日です。賛同は下のメールアドレスに、団体名、連絡先をお送りください。
・団体賛同の連絡先:e-mail   action@gjhr.net

卑劣な「在日コリアン虐殺宣言」年賀状を許さず、国と市に緊急対策を求める声明

*2020.1.21追記:この声明に対する賛同を集めています。第一次集約日は1月27日(月)です。賛同方法は、こちらのページをご覧ください。

*2020.1.29追記:2つ目の脅迫葉書に対して新たに、「在日コリアンに対する相次ぐ卑劣な犯罪予告を許さず、政府に緊急対策を求める声明」を発表しました。こちらも賛同を集めています。


内閣総理大臣    安倍晋三 様
法務大臣      森まさこ 様
川崎市長      福田紀彦 様
川崎臨港警察署署長 山田隆 様

今年1月6日、川崎市の多文化交流施設「川崎市ふれあい館」に、「謹賀新年 在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら残酷に殺して行こう」と書かれた年賀状が届いたことで明らかになりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200106/k10012237011000.html
https://www.kanaloco.jp/article/entry-236214.html

同館は川崎市が1988年に日本人と在日コリアンなど外国籍市民が交流し共に生きる地域社会を築くために設置したもので、多くの地域住民、さまざまな国籍の市民が利用し、外国籍の職員も少なくありません。

1月18日付けの神奈川新聞によると、年明けからの13日間、前年比で、子どもを中心に利用者数が508人、4分の1近く減少するなど、すでに具体的な悪影響が生じており、この脅迫葉書は多文化共生業務を妨害する犯罪行為(威力業務妨害罪)であることが明らかです。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-245998.html

同館は、これまでも日朝日韓関係のねじれなどがある度に、「朝鮮へ帰れ」との差別的脅迫電話がかかるなど、卑劣なヘイトスピーチ、ヘイトクライムの標的とされてきました。
この脅迫葉書は、年始早々、「年賀状」という形式で、在日コリアン市民に対して虐殺を宣言して冷水を浴びせ、恐怖と孤立感、絶望の淵に叩き落とし、地域の分断、差別と暴力を煽動する極めて卑劣な行為です。これはヘイトスピーチ・ヘイトクライムであり、絶対に許してはなりません。

2016年7月相模原市で起きた障がい者多数殺傷事件のように、実際に暴力犯罪が行われる危険性も看過できず、国と川崎市は犯罪抑止、市民の安全確保に全力をあげるべきです。
また、これは、人種差別撤廃条約(第1条・2条・4条)はもちろん、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた施策の推進に関する法律」(2条・4条・7条)、さらには昨年12月12日に成立した川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例が定めるヘイトスピーチ(2条・7条・8条)であり、国と川崎市は、市民を差別から守り、差別を根絶すべく、先頭にたち、毅然として対処することが求められます。

差別をなくし、すべての人が尊重される社会をめざす私たちは、政府、川崎市および警察に下記のことを強く要請します。

  1. 政府は、直ちに今回の脅迫状を強く非難し、このようなヘイトスピーチ・ヘイトクライムを決して許さないとの声明を出すこと。
  2. 川崎市は、直ちに今回の脅迫状を強く非難し、このようなヘイトスピーチ・ヘイトクライムを決して許さないとの声明を出すとともに、川崎市ふれあい館入口に警備員を配備する等市民の安全を守る具体的な対策をとること
  3. 警察は、犯人逮捕に全力をあげること

2020年1月20日
外国人人権法連絡会 共同代表 田中 宏、丹羽雅雄
事務局長 師岡康子


<参考条文>
A.人種差別撤廃条約(抄)
(人種差別の定義)
第1条第1項
人種差別とは、人種、皮膚の色、世系又は国民的若しくは民族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。
(締約国の基本的義務)
第2条第1項 締約国は、人種差別を批判し、あらゆる形態の人種差別を撤廃し、すべての人種間の理解を促進する政策を、すべての適当な方法により遅滞なく、遂行する義務を負う。このため、各締約国は、個人や集団、組織に対する人種差別行為・実行にたずさわらず、また、国・地方のすべての公的当局・機関がこの義務に従って行動するよう確保する義務を負う。
<中略>
(d)各締約国は、状況により必要とされるときは立法を含むすべての適当な方法により、いかなる個人や集団、組織による人種差別も禁止し、終了させる。
<中略>
(人種的優越又は憎悪に基づく思想の流布、人種差別の扇動等の処罰義務)
第4条 締約国は、人種的優越や、皮膚の色や民族的出身を同じくする人々の集団の優越を説く思想・理論に基づいていたり、いかなる形態であれ、人種的憎悪・差別を正当化したり助長しようとする、あらゆる宣伝や団体を非難し、また、このような差別のあらゆる煽動・行為の根絶を目的とする迅速で積極的な措置をとることを約束する。

B.「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた施策の推進に関する法律」(抄)
(定義)第2条
この法律において、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。
(国及び地方公共団体の責務)
第4条1項 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。
2項 地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。
(啓発活動等)
第7条第1項
国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを 目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2項
地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

C.川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例(抄)
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
<中略>
⑵ 本邦外出身者に対する不当な差別的言動 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(平成28年法律第68号。以下「法」という。)第2条に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動をいう。
(人権教育及び人権啓発)
第7条 市は、不当な差別を解消し、並びに人権尊重のまちづくりに対する市民及び事業者の理解を深めるため、人権教育(人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成12年法律第147号)第2条に規定する人権教育をいう。)及び人権啓発(同条に規定する人権啓発をいう。)を推進するものとする。
(人権侵害による被害に係る支援)
第8条 市は、インターネットを利用した不当な差別その他の人権侵害による被害の救済を図るため、関係機関等と連携し、相談の実施、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

マイノリティの人権と尊厳を傷つける「嫌韓」煽動に抗議する声明

2019年9月12日、外国人人権法連絡会、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)、のりこえねっとの4団体で「マイノリティの人権と尊厳を傷つける「嫌韓」扇動に抗議する声明」を発表し、同日、衆議院第二議員会館で記者会見を行ないました。

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マイノリティの人権と尊厳を傷つける「嫌韓」煽動に抗議する声明

私たちマイノリティの人権保障と反差別に取り組む NGO は、昨今の韓国への日本政府の対応や、それと連動した報道や出版が、日本社会の中にある「嫌韓感情」を焚き付け、在日コリアンをはじめ、日本に暮らす移民やマイノリティの人権と尊厳を脅かしていることに、深い憂慮を抱いています。
日本と朝鮮半島の歴史的な結びつきを背景に、日本社会には、百万を超える在日コリアンやコリアン・ルーツの人びとが暮らしています。そうした人々の多くは、今、この社会を覆う「嫌韓」ムードや、それにもとづくテレビや出版物、インターネット・ SNS あるいは日常生活における差別的な発言・振る舞いに傷つけられ 、テレビやネットを見ることができなくなったり、 SNS 発信もできなくなるなど恐怖や悲しみを感じながら暮らしています。また、「親日/反日」のような単純な二分法で「日本」に忠誠を迫る言説は、それ以外のマイノリティにも生きにくさを感じさせています。

今回の「嫌韓感情」の急速な悪化の背景の一つとなった韓国での徴用工裁判における大法院判決は、日韓政府の戦後処理のあり方に疑義を突きつけるものでした。植民地下の人びとに多大な苦痛と被害を与えた日本は、この問題に率先して向き合う必要があります。実際、日本政府はこれまで、 村山首相談話、日韓共同宣言を公にし、2010 年の菅首相談話では、「 植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し 、」「 痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明」しました。これらによる政府見解は、現在でも有効とされています。
また日本政府は、従来から、日韓条約締結にともなう請求権協定によっては「個人請求権は消滅していない」という立場に立っています。にもかかわらず、その点はほとんど報道せず、韓国の対応ばかりを批判する政府やマスメディアの姿勢は大いに問題があります。

「過去の歴史をいつまで批判されるのか」という 反応もみられます。しかし、本人の意に反して徴用され、苦役に従事した上、長年にわたり何の補償もなく放置されてきた当事者及びその家族にとって、これは決して「終わった」出来事ではありません。

「徴用」にまで至った植民地支配下の労働移動は、労働者の権利や尊厳を顧みず、過酷な労働を強いました。これは、現在の外国人技能実習制度にも通底する問題です。つまり「徴用」は、この点でも、現在を生きる「われわれ」にとっての問題でもあります。私たちは、支配された人々の人権と尊厳を最も残忍な形で奪った植民地支配とアジア太平洋戦争の 歴史、それを曖昧な形で処理してきた戦後の対応への真摯な反省を通じてこそ、マイノリティの人権と尊厳が保障される社会を、今ここにつくることができると考えています。同時に、この深刻な被害を引き起こした人権問題を共同で解決しようとすることこそが、日本と韓国、ひいては東アジアの平和の基礎となるべき、未来志向の作業であるはずです。

本来、マイノリティの人権と尊厳にかかわるはずの問題が、国と国の対立の問題としてばかり扱われることによって、十分な事実理解を伴わない感情的な反応が生み出され、特定の国民・民族を貶め、差別を 煽るヘイトスピーチ、ヘイトクライムとして表出されています。それらを日本政府、日本社会が容認し、「正統」な言論として拡散されている事態を、まずもって終わらせる必要があります。このような立場から、日本社会における「嫌韓」煽動に抗議し、マイノリティの安心・安全を早急に回復するよう求めます。

2019年 9 月 12 日
NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク
外国人人権法連絡会
人種差別撤廃NGO ネットワーク (ERD ネット)
のりこえねっと

「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」に関し、不当な差別を受けないための立法措置に向けた規定を追加し修正することを求める NGO共同要請書簡

内閣総理大臣 安倍晋三 殿、 法務大臣 山下貴司 殿

日本においては、人手不足に対応するために外国人労働者が急増しており、2020年東京オリンピック・パラリンピックを機会に多くの外国人が日本を訪れることも見込まれております。

このように日本に滞在する外国人や外国にルーツを持つ人びとの大幅な増加が見込まれ、かつ、外国人労働者に対する政策も大転換を迎えているにも拘らず日本には、多くの国々と異なり、人種、民族、肌の色、出身国、宗教等による不当な差別的取り扱いを禁止する法律がありません。

外国人受け入れについて日本が転機を迎えるにあたっては包括的な政策の導入が必要ですが、その基礎となる重要な施策の一つが人種差別を防止・禁止する法律です。また、人種差別を撤廃する政策をとることは日本政府の国際法上の責務でもあります。

外国人等が不当な差別や排除から守られることは、当事者である外国人等にとっての基本的人権であることは言うまでもありません。不条理な差別や排除を経験すると、人の心は深い悲しみを経験し、屈辱を感じ、その尊厳は傷つき、「多大な苦痛を強いられ」ます(「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」、いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」前文)。

そして、ヘイトスピーチをはじめとする差別は、社会に憎しみと暴力を蔓延させて「社会に深刻な亀裂を生じさせてい」ます(同上、ヘイトスピーチ解消法前文)。外国人等が不当な差別や排除から守られる日本社会で共生できることは、日本社会にとっても極めて重要かつ有益なのです。

そこで政府に対し、下記の規定を入管法改正案に修正して追加するよう求めます。

<入管法改正案を修正して追加すべき規定案>
●政府は、外国人がその人種、民族、肌の色、出身国、宗教等により不当な差別を受けることなく日本社会で共生していくための施策を講じるとともに、そのために必要な法制上の措置については、この法律の施行後二年以内を目処として講ずるものとする。


賛同団体【50音順】
(16団体、2018年12月4日正午現在)

Anti-Racism Project(ARP)
特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク
外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)
「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人種差別撤廃法」の制定を求める連絡会(外国人人権法連絡会)
特定非営利活動法人 コリアNGOセンター
在日大韓基督教会 在日韓国人問題研究所(RAIK)
差別・排外主義に反対する連絡会
公益社団法人自由人権協会
人種差別撤廃NGOネットワーク
特定非営利活動法人 名古屋難民支援室 [1]
NPO法人難民自立支援ネットワーク(REN)
日本カトリック難民移住移動者委員会
反差別国際運動
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク

[1] 特定非営利活動法人名古屋難民支援室については、「今回の入管法改正において、問題となっている問題点、すなわち、技能実習生の大多数が最低賃金法違反、無視の過酷な就労を強いられ、現実に差別を受けている現状が指摘されていることを深く反省し、真摯に受け止めるべきことから、本件提案は、不可欠の課題であり、本件緊急提案を行うものである。」という理由付きでの賛同である。

「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案」に対する声明

東京都は本年2018年9月19日、都議会に「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案」(以下、都条例案)を提出した。
私たちは、東京都が「様々な人権に関する不当な差別と許さない」ことを掲げる人権条例を制定すること、その中に、差別禁止条項を含む「多様な性の理解の推進」に関する章が設けられたこと、及び、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消にむけた取組の推進に関する法律」(以下、解消法)4条2項に基づいて地方公共団体が実施する、不当な差別的言動の解消に取り組む章が設けられたことを歓迎する。都道府県レベルではじめて解消法の実効化を条例制定の形で行うものであり、東京都の取組は国及び他の地方公共団体の取組を促進することを期待したい。解消法施行後2年以上過ぎても、実効化のスピードが遅く、被害者に終わりの見えない苦痛と恐怖を日々もたらしている現状を切り崩す一助となりうる。
他方、条例案の内容は、本年6月に発表された「条例案概要」や、先行例である「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」(以下、大阪市条例)、京都府などの公の施設等の利用に関するガイドラインになどと比べても、後退あるいはあいまい化している箇所が散見される。
私たちは、以下の点について、修正ないし条文解釈の明確化することにより、被害者救済のため実効性があり、かつ、濫用の危険性を防止する仕組みのある、よりよい都条例を制定することを切望するものである。

  1. 前文に、立法事実及び国際人権諸条約を入れる。
  2. 目的に、都による「いかなる差別も受けることがない」社会の実現が含まれることを明確化する。
  3. 3章に、2章の性的マイノリティに対する差別とパラレルに、人種等を理由とする差別的取扱い及び差別的言動の禁止条項、および都の基本計画制定義務など基本法的条項をいれる。
  4. 解消法が地方公共団体に求める相談体制整備(5条)、教育の充実(6条)、ネット対策及び差別の実態調査(附帯決議)を条項に入れる。
  5. 「不当な差別的言動」の定義(8条)を、解消法2条ではなく、人種差別撤廃条約1条1項の定義とする。
  6. 公の施設の利用制限の要件、効果、手続き等の基準を条文に入れる(11条)。
  7. 「不当な差別的言動」と認定された場合は、その概要は必ず公表するものとし、氏名若しくは名称の公表についての基準を条文に明記する(12条)。
  8. 審査会の委員は、人種差別撤廃に関する学識経験者の中から選び、必ずマイノリティ当事者を入れるようにし、都議会の同意を条件とする。委員の人数は20人以上とする(15条)。
  9. 都知事は審査会の意見を尊重すべきとの条項を入れる。
  10. 審査手続きにおいて表現行為者に意見を述べる機会を保障する。

理由はそれぞれ下記のとおりである。

1. 前文に、現在都内で多いときは週1ペースでヘイトデモ・街宣が行われ、また、外国籍住民の4割が入居差別、4人に1人が就職差別を経験するなど法務省の2017年3月発表の調査結果でも明らかになっている深刻な人種差別などの実態を、立法事実として示すべきである。
オリンピック憲章以前に、自由権規約や人種差別撤廃条約など、日本が締約国として履行義務がある諸条約があり、その履行が不十分と国際人権諸機関から何度も勧告されている現実から出発すべきである。

2.「条例案概要」では「あらゆる人がいかなる種類の差別も受けることがなく、人権尊重の理念が広く都民に一層浸透した社会を実現」となっていたが、都条例案では「いかなる種類の差別も許されないという、……人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透した都市となることを目的」との表現になっている。理念の浸透は手段の一つであり、目的は、都による「いかなる差別も受けることがない」社会の実現であることを明確にすべきである。

3.都条例案は、ヘイトスピーチ対策のみを取り上げているが、ヘイトスピーチは人種差別の一部であり、人種差別全体に対する取組が不可欠である。オリンピック憲章も人種差別撤廃条約も人種差別全体の撤廃を求めている。
他方、都条例案は、性的マイノリティに対する差別については「不当な差別」全体の解消の推進を趣旨とし(3条)、「不当な差別的取扱い」の禁止規定を置き(第4条)、差別解消に向けての「基本計画」制定と必要な取組推進を都の責務としている(5条)。
都条例案は、解消法の実効化と位置付けられているが、解消法自体に基本法的条項がない。そのため東京都自らが、その旨を2016年9月13日付け要望書で法務省人権擁護局に指摘している。解消法に基本計画などの見通しがないことが、実効化が進まない一因となっている。国がそれらを示さない以上、都民の尊厳と安全に対し責任を持つ東京都が、性的マイノリティに対する差別対策と同様に、基本計画などを示すべきである。
また、大阪市条例には禁止条項がなく、拡散防止措置及び公表制度の主目的が啓発にとどまっており、特にネット上のヘイトスピーチに対しては実効性が弱いことは大阪市長も問題視している。差別撤廃の実効性のためには、最低限禁止規定と何らかの制裁規定が不可欠である。本年8月の国連人種差別撤廃委員会でもヘイトスピーチ、ヘイトクライムを含む包括的な差別禁止法の制定が勧告されている(para.8,14(b))。
この点、都条例案では性的マイノリティの不当な差別的取扱いについて禁止条項を入れているのだから、人種的マイノリティに対する差別的取扱いについて禁止しない理由はないはずである。
差別的言動については、表現の自由の過度の規制とならないよう、深刻な場合に限定した明確な定義と、第三者機関を置くべきである(東京弁護士会人種差別撤廃モデル条例案参照)。

4.都条例案では、解消法の求める基本的施策のうち啓発の推進(第10条)しか条文にないのは解消法の実効化としても不十分である。

5.都条例案では解消法第2条の定義を引用しており、対象が適法居住要件つきの在日外国人若しくはその子孫と非常に限定されている。本来、対象を人種差別撤廃条約第1条1項の定義する対象とすべきである。もし、解消法の定義を使うのであれば、最低限、川崎市の「公の施設利用許可に関するガイドライン」のように、衆参両院の附帯決議が、対象は解消法2条の規定するものに限定されないとしたことを示し、特段の配慮が必要である旨、明記すべきである。特に適法居住要件は、人種差別撤廃条約違反であり、今回の人種差別撤廃委員会による勧告(para13、14)でも批判されている。

6.「条例案概要」では、公の施設利用を不許可とする2つの要件(いわゆる言動要件と迷惑要件)の両方を充たすことが必要と明記されていたが、都条例案では要件が知事一任となっている。しかし、集会の利用制限は、憲法上重要な集会の自由の制限であるため、必要最小限の制限かつ公正な手続きによることが必要であり、過度の制限、濫用の危険性を防ぐため、都議会で議論の上、条文で定めるべきである。
また、要件は、言動要件のみにすべきであり、仮に両方を定めるなら、京都府、京都市のように選択的にすべきである。両方を必要とした川崎市ガイドラインでは要件が厳しすぎて実効性を確保できないことがすでに明らかになっている。
手続は、都民が審査を申請できるようにし、審査会(14条)の調査審議の対象とすべきである。

7.抑止の実効性確保のためには、悪質な場合には氏名もしくは名称を公表することが不可欠である。他方で濫用を防ぐ必要もあるため、知事に一任するのではなく、氏名などの公表についての基準を定め、公表内容についても事前に審査会の意見を聴くよう条例で定めるべきである。
また、都条例案12条は、ヘイトスピーチと認定した場合に、知事の判断で、概要も公表しないことができるように読めるが、それでは条例により認定された結果の全体像も不明確になってしまい、制度の意義も減殺させる。

8.審査会の委員は知事が委嘱することとなっているが、公正性、知事からの独立性を担保するために、大阪市条例と同様に都議会の同意を条件とすべきである。
審査会の委員の条件は、単なる学識経験者では不適切であり、ヘイトスピーチを含む人種差別撤廃に関する学識経験者とすべきである。
また、被害者の意見を聴くことは認定判断にとって不可欠であるから、審査会の委員には必ずマイノリティを入れるべきであり、その旨を東弁モデル条例案のように条項として明記すべきである。
人数については、大阪市の審査会の5人の委員による審査では、審査申出に対して1年以上経っても結論がでていないものもあり、人員が足りないことが明らかになっている。大阪市の約4倍もの人口を有する東京都の委員が5人では機能しないことが最初から明らかであり、最低限大阪市の4倍の人員は不可欠と考える。

9.審査会の意見に法的強制力がないのはやむを得ないが、都知事がその意見を尊重することを担保する条項を入れるべきである。例えば審査会の意見と違う決定をする場合は、その理由をつけて審査会に報告する制度などを導入すべきである(東弁モデル条例案参照)。

10.適正手続きの保障の観点から、差別的言動を行ったと思料される者の弁明の機会を保障すべきである(大阪市条例の第9条2項参照)。

なお、いかなる差別も許さないことを理念とする人権条例をつくるにあたっては、東京都が、同時に、朝鮮学校に対する補助金の再開(人種差別撤廃委員会の2014年勧告para.19)など、自らが人種差別撤廃条約2条1項cにより「政府(国及び地方)の政策を再検討し、および人種差別を生じさせ又は永続化させる効果を有するいかなる法令も改正し、阻止し又は無効にするための効果的措置をとる」義務を誠実に履行することを強く求めることを付言する。

2018年 9月 26日
外国人人権法連絡会
共同代表 田中宏 丹羽雅雄

 

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