6月28日、師岡康子事務局長と有園洋一弁護士が、公明党のヘイトスピーチ・ヘイトクライム問題対策プロジェクトチームの会議に出席しました。


公明党からは濱地雅一座長、矢倉克夫事務局長のほか数人の議員、政府からは法務省の刑事局、人権擁護局、矯正局の担当者が参加しました。

会議において、師岡事務局長は「ヘイトスピーチ解消法7年~現状と対策の課題」と題し、求められる対策について報告をしました。
まず、岸田首相による差別的動機に基づく犯罪を非難、被害者との面談や被害者への連帯の表明を検討するとの国会での発言は「前進であり、早急に具体化をしていただきたい」と要請しました。
次に、この間のヘイトクライムに関する裁判の評価について、民団徳島に対する脅迫事件では、検察が論告求刑において「ヘイトクライム」との用語を用いて批判的に言及、裁判所が2023年6月の判決で「差別」と認定する等、進展がみられたこと。しかしこれはあくまでも個々の判断次第であり、現状のように検察官及び裁判官の見識に委ねるのではなく、差別的動機について捜査/起訴/公判の前段階を通し、有無を認定、(差別的動機が認められる場合には)量刑に反映させるためのガイドラインが必要であることを述べました。
その他、以下のようなヘイトスピーチ解消法に基づき、すぐに実行可能な国の責務としてやるべきことを提案しました。

  • ヘイトスピーチ・ヘイトクライム関係の法令や判例、その他資料の収集・公表
  • 外国籍住民に対する差別の実態調査
  • 差別デマなどに対する(公的な強い)速やかな是正・非難
    etc…。

他方で、ヘイトクライムの被害者支援を犯罪被害者支援の中に組み入れることやヘイトクライム加害者の再犯防止のための研修、差別の温床となっているネットヘイト対策などは法務省人権擁護局だけでは対応が困難なため、政府内に統一的な対策本部を設けるといった、総合的な対応の必要性も述べました。

公明党議員からは、2月のウトロ現地訪問の際の切実な住民の訴えを踏まえ、ヘイトクライム被害現地訪問の要請がなされました。これに法務省は前向きな姿勢を示しました。
また各担当者との間では様々な論点を確認され、有意義な議論となりました。

  • ヘイトクライムについての認識を刑事司法関係者が共有するための方策
  • ヘイトクライムを犯罪被害者対策に組み入れること
  • 犯罪白書でヘイトクライム問題をとりあげること
  • ヘイトクライム加害者の更生のための教育
  • ヘイトクライムを根本的になくすための教育/啓発の必要性
  • ヘイトクライムを含む差別被害の実態調査

最後に、公明党からは政府にヘイトクライム対策について具体的な要望を出すことの検討など、それぞれ問題解決に向けて取組を継続することが確認されました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です